リングには六人のスーパースターが上がっていた。

ジャンボ鶴田
ザ・グレート・カブキ
小橋健太
vs
天龍源一郎
スタン・ハンセン
川田利明


本日のメインイベント・・・

ではなかった。


1989年7月26日、
場所は神奈川の湘南、

プロレス会場から歩けばすぐに

東浜海岸にたどり着く屋外の駐車場。

その日は午前中から雨が降ったり止んだり。

中3の自分は、 渋るプロレス仲間達に

「迷わず行けよ、行けば分かるさ」と説き伏せ、

夕方頃会場入りした。

けれども、試合開始前も雨は降ったり止んだり。


そこで、いつ中止になるか分からない措置として、

本来、メインのこのカードを真ん中くらいにもってきた訳です。

ところがこの措置は見事ハズレ。

この試合辺りが一番激しい雨が降ってしまった。

無数の虫が飛び交う薄暗い照明の下で

どしゃぶりの中、戦う強者達・・・。


今から思い返すと、なんと

伝説的なシーンだったんだろう・・・



結果はまだグリーンボーイの小橋が

ハンセンのラリアットに沈んだ。

その試合から数週間後の週刊誌で天龍は
「雨が降ってきてるから俺達は早く試合終わらせようとしてたのに、

ジャンボ達粘りやがって・・・」というようなコメントを残していた。

相手をストレートに誉めない天龍らしい表現でジャンボ達を讃えていた。


さて、すっかり雨が上がり、メインに廻った「寺西勇vs鶴見五郎」

結末は鶴見五郎が

前から飛び込んできた寺西をそのまま抱き止め、

後方のトップロープに喉元を打ちつけ、

そのまま丸めこんでフォール勝ちを奪った。

総合格闘技でも
金網なら金網での戦い方があるように、
リングならリングでの戦い方があるわけだ。


さすがリングを知り尽くした男であり、

ヨーロッパ流のレスリングを習得したテクニシャン、

鶴見五郎。



試合後、鶴見は我々観客と同じように歩きながら会場を後にした。

恐らく近くに自家用車を停めていたのであろう。


まさか、ドクロマークのついたタイツのまま、

江ノ電には乗るまい。



「jazz」「プロレス」そして「格闘技」…byドランゴ