心が折れてボロボロに傷ついたある日のこと

夕陽が目に入り導かれるように近くのマリンビーチへ


10年前、沖縄へ移住した来た時、ここに決めたのも

「愛する人と海を眺めながら老後を過ごす」

そのビジョンは20代のころからの夢。


沖縄でゼロからその夢に向けてやり直すつもりだった。

わたしには大きな4つの夢があって、ほとんどを叶えてきたつもりが

こんなに近いのにほとんど来る機会がなかったけど

いつかその夢は叶うと信じていた。


アイランドジャムは16年前の2000年に東京の東中野という「場所で

整体学校に通いながら右も左もわからないまま、たった1人でオープンした。

3人のスタッフを抱え途方にくれたことも何度もあって

土日は都心の路上で露天商を続けながら、赤字も埋めてきた。

その中で起きた事件での500万円の借金も

焼けつくような真夏の空の下、凍えるような真冬の空の下

たった一人でお祭りの路上に立って2年で完済しててきた。

その経験が今のわたしの最大の強みとなっているのかもしれない。

世界中、どこに行ってもなにをやっても生きて行ける、という自信。


その間、子供の面倒を見てくれていたパートナーがいてくれたおかげということも。


沖縄に移転した当時は

家と店の引っ越しも重なった肉体的精神的ストレスと

家族の生活がかかっているというプレッシャーから

持病の胃痛で水さえ吐くという体調不良が続き

誰も来ないガランとしたお店の中で、倒れていた日々を思い出す。

弱音を吐いてしまうと自分がだめになってしまいそうで。

たったひとつだけ届いたきれいな開店祝いの花も

誰の目に触れることなく枯れていくのを見るのはさみしかった。


家に帰ると「ちゅらさん」をレンタルしてきて家族で毎日観た。

沖縄のことをもっと知るために。

沖縄をもっと好きになるために。

見知らぬ島で不安な生活の中、

家族が肩を寄せ合ったひとときが今はなつかしい思い出。


ただ、今、自分に起きていることをどう受け止めればいいのか。

海の神様に聞いてみようと思った。


海に落ちてゆく夕陽を眺めることが好きだ。

いつも人の一生を思う。

「有終の美」

1日の終わりを美しい光が彩って空を染めてゆくこの瞬間、

わたしの人生もそうありたいと願うのだった。

が、この日は太陽と海がひとつに溶け合う瞬間、雲で見えなくなったうわーん


これがメッセージ・・?

すべての存在に見放されたように感じ

すごく悲しくなって涙があふれた。

とぼとぼと力を失い駐車場に向かいながら

大切なことを思い出した。

それは勇気と信じる力。

わたしはアルケミストだということにハッと気づいた

そして自分に錬金術をした。

「ゆるせない自分をゆるすということ。」


「愛を選ぶ」と決めていても

愛を選べないこともあっていいんだ。


そんな自分を愛してあげればいい。




次の宇宙の扉が開く音が聴こえた瞬間だった

それは、ある大きな賭けへの決断につながることだった



Jimmy Cliff - Many Rivers To Cross


「Many Rivers To Cross

人生には超えなければならないたくさんの河がある

何度もぶちのめされへこたれることがあっても意地とプライドがあってここまで来た」

わたしの大好きなジミークリフの「遥かなる河」の歌詞

どん底を経験してきたわたし

今度もきっと乗り越えられるだろう




たとえ今は泥の中にいようと

もわたしは蓮の花のように強く美しく生きたい!

愛を選択し 有終の美を飾るために

神様は今度はどんなギフトをくれるのだろうか?


つづく