「おい、こっち向けよ」
「知るか」
「望!」
浄華は望の顔を掴んで無理矢理こっちを向かせた。
「な・・・何だよ!」
「もう・・・女の子とヤるなよ」
「・・・女みたいなこと言うな」
「男とはもっとヤるな」
「ヤるわけねーだろバーカ!!」
布団の中で、足を思いっきり蹴られる。
「痛ぇな」
「お前こそ他の男と寝たらブッ殺すからな!!」
「・・・寝ねーよ」
足をさすりながらそう言ったが、望はあまり納得してなさそうだ。
「どうだか」
「俺がそんなに軽いヤツだと思うのか」
「思う」
きっぱりと言われて傷ついたが、望はお構いなしに言葉を続ける。
「名前も知らない男でも誘ってたんじゃね?お前男にもモテそうだもんな」
「適当なこと言うな!俺はホモじゃねーんだよ!」
「嘘つけよ。俺は男だよー?だから好きになっ・・・」
「お前がたまたま男だっただけだろーが!」
「・・・」
望が何か言ってくると思ったが、無表情でこちらを見つめるだけだった。
「お前は俺が、お前が男だったから好きになったと思ってたのか!?逆だよ!お前が女だったらってどんだけ思ったか・・・」
「・・・え、何で?」
「そしたら色々考えずに好きだって言えるだろ・・・」
男同士だから振られる、男同士だから認めてもらえない、男同士だから・・・と、浄華は何度思ったことだろうか。
今まで男と寝ていたのは、望が男だったから、とは言わない方がいい気がする。
「・・・そうなんだ」
全然関心を示さない望の態度は余計傷ついてしまう。
「・・・俺のことはどうでもいいのかよ」
「・・・いや」
望は浄華をじっと見て、ニヤリと笑った。
「だったら浮気できねえな」
「!」
浄華は一瞬驚いたが、同じようにニヤリと笑った。
「当たり前だろ」