次の日の朝、
不安を抱えながら
いつもより早めに
家を出ました。
佐々木さんの言うとおり、
何事もなく、
いつものスタンドに着くと
彼はもう待っていました。
見慣れないスーツ姿。
今まで作業着の姿しか
見ていなかったので
意外な姿にドキッとしました。
適当に車を停め、
車を降りると
自分の車の方に
歩いていきました。
ぼーっとしていると
『ほら、早く乗って。
遅刻しますよ。』
運転席から声をかける彼。
私は慌てて荷物を持ち
ゆっくりドアを開けました。
そして、小さな声で
『お邪魔します…』
と、呟くと
『いつもの元気ないね?
あ、もしかして朝苦手?』
私が緊張しているのを
知ってか知らずか
色々と話してくれました。
私の職場に着くと
『じゃ、夕方4時頃だよね。
あ、携帯教えとくから
携帯に直接連絡して。』
渡された名刺を見ると
ボールペンで携帯の番号が
書き足してありました。
『ちゃんと登録しといてね。
じゃ、行ってらっしゃい』
いつも以上にこの日は
テンションが高くて
マスクをしていなければ、
にやけてるのが
ばれていたかも知れません。