Maybe Blue! -6ページ目

数学

わたしは数学がだめ。

苦手なんてもんじゃない。

だめ。


高3の受験のときに高1の妹に数学を教わるほどに。


といっても、教わったのはごく短時間。


「なんだ、すぐ解決したのね」と思ったあなた。

残念。


妹にさじを投げられたから、というのがまさかの正解。


うちの妹は基本的にものぐさで(ものぐさがこんなにしっくりくる人物をわたしはほかに知らない)

怒るのすらめんどくさがるので(あのこはどれだけものぐさなんだろう)

声を荒げることもなく(エネルギーをつかうから嫌らしい)

物わかりの悪いわたしにとくとくと解き方を説明してくれていたので(いいひと)


わたしは素直に妹にわからないところを訊いてみました。


「ねえ、なんでこれをxとおくの?」


すると妹は一瞬口を閉ざした後、

「…別にyでもaでも好きなの使っていいよ」

と答えてくれました。


せっかくの機会なので、続けて前々から抱いていた疑問を投げかけたところ

妹は即座に

「あんたに数学は一生無理」

とひとこと吐き捨て、

それきりわたしに数学を教えてくれなくなってしまったのです。



そんな、数学にまつわる

ちょっと甘酸っぱい青春の思い出。