日時：2024年4月3日

会場：サントリーホール

指揮：大野和士

メゾソプラノ：藤村実穂子*

東京都交響楽団（コンマス：矢部達哉）

A席4,400円（割引後・2F LB-8-10番台）

＜木管トップ＞
フルート：柳原佑介
オーボエ：広田智之
クラリネット：客演
ファゴット：長哲也

＜金管トップ＞
ホルン：谷あかね（シティフィル）
トランペット：岡崎耕ニ
トロンボーン：風早宏隆

東京都交響楽団　第996回定期演奏会Bシリーズ

アルマ・マーラー（D.マシューズ＆ C.マシューズ編曲）　7つの歌 [日本初演] *

ブルックナー　交響曲第3番・ニ短調 WAB103（ノヴァーク：1877年第2稿）

前半はアルマ・マーラーの「7つの歌」。
藤村さんのメゾ・ソプラノが美しく深く沁み入ってくるかのよう。気品に満ちており夢の世界に誘われる。
そして、本当に夢の中へ。仕事終わりの疲れた体は抗うことができなかった。何ともったいないことか。
こんな状況なのでいろいろ語ることはできないのですが、オケの鳴りがいいので、せっかくの美声が消えてしまうことがあり、ちょっともったいないような気がしました。

後半はブルックナーの3番。

弦は16型に増強。ブルックナーでも14型で済ませてしまうオケが多い中、都響はしっかりと期待に応えてくれるので曲が始まる前から好感が持てます。

第1楽章からその弦がしっかりとリズムを刻み、骨格をしっかりと構成。金管が入りボリュームが上がると推進力が加わり勇壮さが生まれます。

第2楽章ではその弦が厚みのある音で雄大なメロディーを次々と奏で、第1楽章とはまた違った色彩を放っていました。

第3楽章、第2楽章で溜めたエネルギーを一気に放出。

第4楽章、ますますオケがスケールアップ。これでもかという凄まじい気合いを感じる。特に良かったのは顔を真っ赤にして吹き鳴らしていたトランペットの岡崎さん。熱を帯びた美音が浮かび上がり、曲に彩りを加えていました。また、シティフィルの谷さんが引っ張るホルンもいい仕事をしていました。特に谷さんは繊細さを求められる弱音のソロを見事に演奏されておりお見事！シティフィルはこんなに凄い奏者をなぜ首席にしないのか不思議です。

最後は頂点に向かって一直線に駆け上がりました。ちょっと涙が出ました。

凄いダイナミックなブルックナーでした。

聴きながら思い出していたのは中学時代の自分。

ワーグナーのタンホイザー序曲の巡礼の合唱の旋律にビビッときて、その流れで、当時はタイトルにワーグナーとつけることが多かったこのブルックナーの3番のLPを購入（もちろんカラヤン=BPO）し、そこからマーラー、R.シュトラウスといった後期ロマン派の魅力に取り憑かれるようになったきっかけを与えてくれたのがこの曲でした。

あの時の熱い気持ちを今日の演奏が思い出させてくれました。

今日は感慨深い思いを抱きながら帰途につきました。

24/４/３ 都響 大野和士 サントリーB定期 ブルックナー3

24/４/３　都響　大野和士　サントリーB定期　ブルックナー3