眠れぬ夜・・・
黎明に近いこの時間・・・熱に浮かされて痛む体と、どうしようもなく冷えていく心とにいつもなら手を出さない薬にまで手を出して、仮初めの安らぎを眠りの中に求めて・・・生きるというのはまるで痛みのようにリアルに感じる瞬間がある生きていくというのは何と辛く耐え難い事である事か、ふとした瞬間に思い知らされる生き馬の目を抜く様な油断のならないこの世界でそれが例え梢の鳥を追いかけて、求めるような行為であったとしてもかすかな燭光を希求するそれ自体が自分の存在意義の証明であるように感じるでもある瞬間に冷や水を掛けられて否応無しに孤独な現実に引き戻される・・・そしてまた私は仮面を被るその度に私は何と罪深い存在であるかを実感させられ、この世界に身の置き場所がない事を思い知るお前なんか存在してはいけないのだと言われているようなそんなどうしようもない絶望感に襲われるこのまま、空気に、水に、溶け込むように消えていく事が出来たなら・・・でも空気や水にも拒絶されるように、背後にある鏡は滑稽なまでに哀れな姿を残酷なまでに映し出す・・・そんな直視しがたい自分の姿ごと粉々に打ち砕き心から流れ出すそれと同じものを自分の拳に見た時に止まらない出血のような破滅的な感情にシンクロする後数時間で夜が明ける・・・昨晩見た夜の帳が下りる寸前に垣間見た『赤い月』月は時として人の狂気を駆り立てる『赤い月』が私を駆り立てるならばそれに身を委ねて深遠の中に・・・そしてまた新しい『仮面』を・・・そしてまた新しい『鎧』を・・・破滅的な気分と絶望の淵にある地獄の砂を噛みしめながら深遠の中に自分の求めて止まないものを二度と浮かばないように沈めて周囲の望む『理性的で抑制の抜群に効いた何の心配も要らない"良い子"な私』に戻る・・・抑制の効かない『本音』は二度と浮かび上がらないケルベロスでも決して切る事の出来ない太い鎖で縛り付けたそしてまた表面上は穏やかな日々が戻る・・・そしていつもの言葉が浴びせられる『そんなに気を使わなくても良いよ。もっと甘えて良いよ・・・』私には一生心の安息は無い・・・『私』という存在がこの世に存在する限り・・・人は私を見る。決して私の苦悩など知らずに何故なら私は周りが見たいと思う『仮面』を顔に貼り付けるからそれが周りから見た私という存在が在る事を許される只一つの手段そうする事でしか『私』の存在は在る事を許されない・・・本当の自分を出せばそれは即『死』を意味する物理的な『死』では無く内面にある本来の自分の『死』退廃的な『私』は仮初めの眠りから覚める時一体どうなっているのか・・・新しい『仮面』が己が眼に映る事を祈って・・・