読書の時間 | ヨネダ設計舎のブログ

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近頃、何冊かの本を同時進行で、毎日少しづつ読む、という読書の進め方をしています.

今読んでいる本たちが、多方面、雑食状態なのでこの方法の方が、その日得た事柄や知った内容を顕在意識と潜在意識の両方に、しっかり巡らせることができます.

毎日細切れにして、すこしづつ、.

それから、無理のない習慣化の力、これが大きいと実感しています.

僕は字を読むペースが速い方ではないので、一冊の本を読むということは結構大変なことで、この方法だと本の頂上までの道のりを無理なく、じっくり経験しながら楽しめます.


今読んでいる本のひとつに (もうかれこれ数か月越し) 坂本一成さんの 『建築に内在する言葉』 があるのですが、これまたとても素晴らしい内容で、今まで気づくことができずに眠っていた建築感受のスイッチたちがパチリパチリと音をたてながらONになっていきます.

その中で、ヴェンチューリからの引用がたくさん出てきているので、気になって過去に読んだヴェンチューリの『建築の多様性と対立性』と、コルビュジエの『建築をめざして』をパラパラとめくりしました.

以前の自分が蛍光ペンで線を引いた一文たちが次々と鮮やかに飛び込んできて、やっぱり今読んでも心に響きました.

・われわれの目は、光の下で形を見るようにできている.
・建築にはもっと厳粛な使命がある.崇高といえるもの、その客観性を通じて本能の一番もとに触れることだ.
・大部分の建築家たちは偉大な建築は人間性の源流にあること、そして人間の本能と直接的な関連にあることを今日忘れてはいないだろうか? ル・コルビュジエ

・何かを知ることと、何かから意味を抽出することの二つの回路は、あい補うものであり、芸術作品を作り、味わう際にはどんな場合でも幾らかは必要なものである.
・全体の構成が多様な場合には、画一的でない変化に富んだ関係性が、多様な統一をもたらしうるのだ.  R・ヴェンチューリ


この一文に共通する、僕が心に響くことは、やはり それを知覚し、感じる人間というものを主眼に考えていることです.
コルビュジエといったら、表現の人、と受け取られてしまいがちですが、人がどう感じるか、人間の視点からみて、造形、色彩と人間の感覚を追及された人です.






連休で、事務所に一人.半分仕事で、リラックスしながら時間を過ごせています.

やっぱり、読書ということ.

自分と世界、時間たちと対話すること.

こういう時間と心の余裕は大切だと実感しています..


建築設計は、やはり精神がつくるものだと思うからです.


2019年 5月のはじめ.よい時間を過ごしています.