5月某日。
気が付くと、五十嵐のカウンターに座っていた。
 
3月都内某所にオープンした、「東京和食五十嵐」。
オープン後、直ぐに伺わせて頂き、2か月限定のオープニングメニューを頂いた。
美味しいお料理を頂いて、ビルの下でオーナーとハグをして別れた後、帰り路、予定表を確認し、地下鉄の駅でオーナーに連絡し、次回の予約を取った。
 
次回の予約は6月。
あいにく5月の予定が読めず、東京にいるのかいないのかも分からなかったので、五十嵐氏の代名詞「鮎」の季節の6月の予約を。。。と取ったもの。
 
4月を過ぎた頃、オープニングメニューから一新し、新たな5月のメニュー開発の記事がオーナーのfacebookに続々とあがっていた。
五十嵐氏とオーナーのやりとり。トライ&エラー。使う食材。細かな工夫。。。
 
4月後半。
銀座の某有名店で和食を頂いていた時、とある会話から大将と「東京和食 五十嵐」の話になった。
他愛もない会話だったけど、そこから脳裏に五十嵐が離れず、その夜、お客様も既にお帰りになられている日付が変わる頃、ダメ元でオーナーへメッセージを送った。
 
「5月○日か○日、今更ワガママなのは承知の上で、1席ご用意できませんか?」
オーナーからは直ぐにお返事が。
「調べる、ちょっと時間を。。。」と。そして、、、、数分後。
 
「5月の料理を○○(私)にも食べてもらいたい。空けた♥」と、ご連絡がありました。
よって、この日、、、
私は五十嵐のカウンターに座ることができている。
 
 
席についた私は、やはりアルコールペアリング。
ビールかシャンパンが選べますが、シャンパーニュからスタート。
 
一人参加が多い中で、皆様初めましてだったのですが。。。
お隣の方は、接点がある方でした( *´艸`)

 

初めに提供されるのは、5月のメニューも、五十嵐の出汁から。

 
利尻昆布をじっくり水出し。削りたての鰹から出汁を引く五十嵐の味。
蓋を取ると、顔の前にお出汁の香りが広がります。

 

 

Domaines Minchin Mentor-Salon Blanc Morgues La Tour Saint Martin 2015

1品目に合わせる為に、ワインが提供されます。

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「トゲグリ蟹の蟹味噌飯蒸し、蟹身のゼリー和え」

青森県陸奥湾産、雌のトゲクリ蟹。

殻の中には、蟹味噌・内子・もち米で熱々の飯蒸し。

殻の外には蟹肉、に土佐文旦と土佐酢のジュレで。同じ蟹なのに、全く異なる味わい。

はじめ、日本酒が欲しいかな?と思ったけど、これがワインにピッタリ!

 

「2種の蒸し鮑のお椀」

一つは4時間蒸して柔らかい食感、もう一つは2時間蒸して旨味を残したもの。

こんな食べ比べ。。。アメージング!!

個人的には2時間でも十分柔らかくて、旨みと塩味が強い方が好きでした( *´艸`)

 

「ダンボネプレート3種」

オツマミ的に、箸休め的に頂けるおかわり自由の3種のプレートです。

①「アボガド、うど、わけぎのぬた」※これ超ー美味しかった♡

②「浅利の時雨煮 木の芽添え」

③「春キャベツと燻製ササミの黒酢サラダ」
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ワインが変わります。

Rieffel grand cru zotzenberg sylvaner 2015

 

「食べられる肝ちり酢ゼリー」

実はこのちり酢もおかわりOKwww

どうやったら食べやすいか?も考えられています。

 

合わせたのはこちら

「マゴチのお造り 腹身、皮、胃袋」

 

3月に伺ってから早2か月。

厨房や勝手にも慣れた様子で、遠火の炭で炙られた太刀魚をテンポ良く外していきます。

 

「太刀魚の炭火焼」
驚くくらいの柔らかい食感の太刀魚。焼き茄子が敷かれていて、
お出汁が注がれています。

 

次のお料理に。。。

岩手県 酉与右衛門 特別純米 美山錦

 

「アオリイカ 3種類の仕立て」

1、アオリイカの握りにキャビアを乗せて。サクサク。

2、片面の刃入れでカラスミと合わせて。やわらか。

3、両面の刃入れでこのわたを乗せて。ネットリ。

食感が異なる同じ個体のアオリイカを楽しませてくれました。
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秋鹿 山廃純米 山田錦 火入れ原酒
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「炙り鳥貝、蒸しウニ、海苔のあんかけ」
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さて、ここで、ペアリングを選んでいる人のみが好きな時に飲める
お酒のラインナップの中から「さわやまつもと」をグラスに注いで頂きました。
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初めましてのお隣様と、色々な話をしながら次のお料理を待ちます。
両隣様とは、前回も大体これくらいから徐々に会話が盛り上がってきます。
 
さて、、、
次のお料理に合わせましょう。
島根県東出雲町 王祿酒造 王祿「渓」 純米吟醸 本生が用意されました。
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この日のスペシャリテ。
「稚鮎の黒ビールフリッター仕立て」
かかっている特製焦がし鮎塩はずっと舐めながらお酒が飲める。。。
お皿を下げようをするオーナーに、「まだ下げないで」とお願いする始末。
笑われましたww
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「人参と苺のスムージー」
これで胃袋リセット。まだまだこれから入ります。
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「天然鰻の蒲焼き酢飯乗せ うざく仕立て」
瀬戸内レモンの皮を乗せて、前回同様にシャリはネタの上です( ̄▽ ̄)
鰻がパリッパリ!!日本酒で流し込んで、幸せがいっぱいです。
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「鯵のたたきの手巻き寿司」
紫蘇、茗荷、九条葱、針生姜、シブレットの花、花穂紫蘇がたっぷり!!
隠し味には梅肉。
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Le Cupole di Trionoro 2015
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トスカーナワインに合わせたのは、豚と牛のシャブシャブ。
 
「花山椒と山形豚のしゃぶしゃぶ」
5月まで大事に保存しておいた花山椒は、嬉しい限りです。
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「生黒コショウ&クレソンで赤牛のシャブシャブ」
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お食事です。
「サマートリュフ、フルーツトマトのすき焼き丼」
地鶏、土佐ジロー卵、高知県産フルーツトマトめぐみ、サマートリュフ
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「十割蕎麦」
蕎麦の量は、おなかと相談の上で選べます。今回はおなかが苦しかったので小。
ちなみに、毎朝五十嵐さんがその日の分を手打ちで用意する十割蕎麦。
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「紅茶のシャーベット」
アッサムのシャーベットに、宮崎マンゴー、ジャスミン茶とほうじ茶の寒天、トニックウォーターとパッションフルーツ
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「お薄」
最後のお抹茶は五十嵐さん自らが点ててくださいます。
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5月も本当にアメージングな体験をさせてもらいました。
 
以下、オーナーであるOgawara OsamuさんのFacebook投稿からの一部引用です。
 
「時間を忘れて物事に打ち込める。人生を分け合った仲間がいて、朝から晩まで議論を尽くし、最高のクリエイティブな仕事ができている。そして何によりそれを大切な誰かが今か今かと楽しみに待っていてくれている。50を過ぎたオヤジがそんな魅力的な日々を過ごさせてもらっています。

それは食べ歩いたり飲み歩いたり、そんなヤワな楽しみじゃない。幸せという感情とも少し違う。睡眠時間もないし、怒ったり怒鳴ったり、落ち込んだり、悔しかったり、悲しかったり、失礼な客にブチ切れたり、日々追い込まれて、泥だらけの毎日だけど、そんな日々をあえて言葉にするとひとつのセンテンスしか思い浮かばない。ようやく「我が人生」に辿り着いたと。」
 
お食事を頂くという事。
それは、当たり前ではない事。

今日も感謝をしながらお食事を頂こう。