先日労働保険事務組合の方が営業に来られたので、前から気になっていた「弁護士が公的労災保険に加入ができるのかどうか」という問題について聞いてみました。


 ちなみに、社会保険(厚生年金、健康保険)については、弁護士に強制加入義務があるかどうか色々な人に聞いたことがあるのですが、結論から言うと、誰に聞いてもわからず、年金事務所の方に聞いてもやはりわからない。

 実態としてどうなっているかというと、少なくとも個人事業として個人事務所の形態でやっている場合はもちろん加入義務はない。この点は全く争いはないようです。

 問題は弁護士法人の場合ですが、これも社会保険に入っている事務所と入っていない事務所がある。

 聞いた話ですが、ある地域の年金事務所の担当者に聞いた弁護士先生がいるそうですが、「雇用契約でなくとも、何らかの使用関係があれば社会保険への加入義務がある」という見解を出した年金事務所があるようです。この見解によると弁護士法人所属の勤務弁護士は社会保険に加入しなければならないという結論になります。

 ただ、やはりグレーゾーンで各弁護士法人の判断で加入していたりしていなかったりしています。


 労働保険(労災 失業)についてはますますわからない。

 どうして弁護士の労災保険について前から気になっていたかといえば、弁護士は外出が多く事件や事故に遭いやすい。また、危険と隣り合わせにある性質の事件にかかわっていることも多く、手厚い補償がある公的労災保険加入の必要があるのではないかという思いがあったからです。


 労働保険事務組合の方に、社労士さんやら監督官庁に問い合わせてもらったのですが、やはりよくわからない。

 ただ、どうもこうなるだろうという結論は得られました。


 ○事務職員⇒加入可能(ただし、弁護士の親族事務職員については制約あり)

 ○弁護士⇒基本的に加入不可

  ただし

    ・タイムカードなどで勤怠管理がされている勤務弁護士⇒加入可能

   (ただ、「弁護士にタイムカードや出勤簿を使って勤怠管理をしている事務所などあるのでしょうか」という疑問は持ちました。あるのだろうとは思いますが、少なくともかなり少数派ですし、そもそも自由で気ままを好む弁護士気質の人が多く、勤務弁護士であろうとタイムカードで出勤退勤時間を押し付けられることを好んで受け入れる人は弁護士にはならないと思います。同じ法曹の裁判官や検察官も出勤簿はないと思います)


    ・弁護士法人の「社員」になっている弁護士

            と

     個人事業でやっている弁護士で事務職員を雇用し労働保険に入っている事務所


     ⇒△特別加入という制度を使えば加入可能(←労働保険事務組合に事務を任せないと特別加入という制度は使えないそうです)


  うちの事務所は弁護士法人なので、社員になっている勤務弁護士は特別加入で労災に加入できますが、通常の委託関係にある勤務弁護士は加入できないということになります。


  労働保険事務組合の方に聞いたところだと、弁護士法人の社員になっていない勤務弁護士は民間の保険でカバーするしかないだろうということでした。


  おそらくほとんどの事務所は昔ながらの考え方で、勤務弁護士はあくまでも「イソ弁」つまり居候であって、自分のことは自分でやれ、ということなのだと思います。ただ、勤務弁護士を「居候」ではなく「重要な戦力」と考えれば、それでいいのかとの思いがあります。

 法律事務所経営にはまだまだ克服できない課題が多いです。

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