先日「健康保険および厚生年金被保険者資格および報酬等の調査」を実施しますという通知がきたので、厚木年金事務所に行ってきました。


 調査といえば、税務署が正しく申告がなされているかチェックをする「税務調査」が真っ先に頭に浮かびますが、今回は年金事務所の調査です。被保険者の対象となる従業員が正しく登録されているか、また、金額が正しく申請されているかチェックすることが主な調査なようです。


 弁護士法人の場合は、個人事務所と違って厚生年金及び健康保険の加入が強制になっているので、加入して掛け金を払っています。


 この掛け金がばかにならないくらい高く、被用者および事業主が折半で払います。この額は給与が高くなればなるほど掛け金が上がる仕組みになっていることは多くの人が知っているところです。払っている掛け金を合計すると給与総支給額の3割から4割程度の額になりますでしょうか。それくらい高いです。


 これの加入が任意である個人事務所がうらやましくなることがあります。


 ただ助かっているのは、健康保険に限って言えば、首都圏の法律事務所の場合は、一般の会社や他の地域の法律事務所と異なり「東京都弁護士国民健康保険」(通称 「弁護士国保」というものが存在します。これに加入していれば一般の会社が入っている健保協会管掌の健康保険に入る必要がありません。いざというときの保障が一般の健保よりも弱いところはありますが、一般の健保よりも掛け金はかなり割安です。


 ところで、調査を実施するという通知がくるのですが、いきなり1週間後に来いということ。弁護士はスケジュールが詰め込まれているのでそれは無理なので日程を変えてもらいました。


 社労士さんに頼めば社労士さんを代理人とすることができるそうですが、普段は社労士さんを頼んでいないため、一から説明しなければならずその説明の時間と手間を考えれば自分で行った方が早いと思い自分で行くことにしました。


 調査当日は、賃金台帳や源泉徴収所得税の領収書などもっていきます。担当の女性は親切で、等級の基礎となる賃金の額が間違っていないかどうか見ていきます。途中昇給で給与額が上がっている人がいたのですが、その計算が間違っているという指摘を受けました。通常等級の基礎となる給与の算定は毎年4月,5月,6月の3か月の平均の額を基準に標準報酬月額を決め等級が決まるのですが、年度の途中で改定された場合は、その次の3か月間の平均になるということです。それはその場で申請書を書きました。

 あとは間違っているところはなく、1時間くらいで終わりました。


 他にも中小企業の社長さんが来ており、いろいろやり取りをしていました。やはりこういうところに来ると、弁護士といえども普通の中小企業の社長さんと変わらないことが実感できます。


 年金については、将来もらえるかどうかわからないので、こんなものを払っても結局払い損になるのではないかという声が多く聞かれます。結構年金不信は若い世代には多いと思います。そういう意味では、これを安く済ませることができる任意加入の法律事務所は本当にうらやましいという感情も出てきます。


 ただ、逆にこれに加入できることはかえってメリットだという人もいます。厚生年金の加入しなければ国民年金に加入することになりますが、将来年金がもらえるとなった場合、もらえる額が全然違います。ちなみに、うちの父親は個人事業主の弁護士だったので、国民年金の基礎年金にしか加入していませんでした。うちの母も同じです。父親は年金支給年齢前に亡くなっていますので、当時18歳未満であった弟に一時的な遺族年金が出ただけ。母親も現在もらっているのは最低限の年金で2か月で7万円ちょっと。これでは小遣い程度にしかなりません。


 将来もらえるかどうか非常に不安ですが、厚生年金に入っておけば多くの一般国民として最低限度の保障は受けれる(はず)。今は掛け金の負担が大きく苦しいですが、事務所で働いている人のためにはやはり掛け金の支払いが苦しくても加入するのがいいのだと思います。


 ここは不信感はあるが、無理やりにでも将来支給が受けれることを信じて払うしかないのではないでしょうか。

 

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