本日7月24日は曇りです。少し蒸し暑いのですが、いつもより暑さは和らいでいるようです。


 ところで、先日ある弁護士法人の若い所長とお話をしたのですが、病気をしてしばらく入院をしていたということでした。早期発見だったので手術をして対処できたのですが、発見が遅れたら命にかかわることだったそうです。

 その先生は、もし自分にもしものことがあったら事務所はどうなるのだろうと考えたそうです。


 私は年齢が46歳です。まもなく47歳になります。私の父は59歳で癌でなくなっていますが、癌の発見が亡くなる1年前で、すでに手遅れでどうしようもありませんでした。父は健康に対して自信過剰で、医者に行くことはしませんでした。そのため、発見が遅れたので、私は同じ失敗をしないよう昨年は癌検診をうけました。ただ、癌はありませんでしたが、動脈硬化症の疑いがあり現在食事に配慮しつつ見守っている状況です。

 年齢的にも病気には十分注意しなければいけない年齢です。


 ところで、私ももし自分が亡くなるようなことがあったらどうなるかということを考えたことがあります。

 サラリーマンであれば、家族の生活のことを考えるということになりますが、事務所をもっているボス弁(所長)は自分の家族のことだけ考えればいいというものではありません。事務所の運営や従業員(勤務弁護士、事務職員)、お客さん(係属中の事件の依頼者)など様々な人に影響を与えます。


 実際自分にもしものことがあったときの後のことを心配されているボス弁(所長)先生は多いのではないでしょうか。


 この点、弁護士法人制度を利用すればいい、という意見をよく聞きますが、よく考えてみると組織を個人事業から弁護士法人にしたところで問題の抜本的な解決にはなっていません。


 法律事務所の運営をバスの運転に例えると、バスの運転手がボス弁(所長)で、バスには乗務員(勤務弁護士、事務職員)、乗客(事件の依頼者)が乗っているというイメージになると思います。

 運転手は、ガソリンがなくなりそうになればガソリンを入れ、オイルがなくなればオイル交換をし、タイヤが摩耗すればタイヤを交換し、バスが故障すれば修理工場に持っていきます。乗務員はお客さんが車内でくつろいでもらい目的地まで手助けをします。

 つまり、ボス弁(運転手)は事務所の金を管理し、通帳の残高が少なくなれば資金調達の方法を考え、人が足りなくなれば採用を考え、既存の勤務弁護士や事務職員を教育したり、事務所としての事件処理能力を向上させ、さらには事務職員の将来の退職金の支給の準備や将来の支出を考えて財務状況を作っていかなければなりません。勤務弁護士や事務職スタッフは事件処理業務を行いお客さんにサービスを提供します。

 

 ところが、運転手(ボス弁)がいなくなれば、バスは動きません。乗務員はお客さんに対するサービスは提供できますが、バスを運転できませんし、ガソリンの入れ方もタイヤ交換の仕方もわかりません。


 この場合、それまで乗っていたバスは廃車になり(法律事務所は閉鎖になり)、乗務員(勤務弁護士、事務職員)やお客さん(依頼者)は他のバスに乗り換える(他の事務所に転職する、依頼者は他の事務所に仕事をしてもらう)か、乗務員は自分が運転できる新しいバスを調達(つまり独立)しなければなりません。


 ただ、弁護士法人にしていればバスを廃車(事務所を閉鎖)にせずそのまま使うことができます。もっとも、今まで乗っていたバスの運転の仕方、ガソリンの入れ方、オイル交換の仕方、タイヤの交換や整備工場への出し方を知っている人に運転手になってもらわなければなりません。

 そのような代わりの運転手(所長)がみつからなければ結局バスがあっても動かず、ほかのバスに乗り換えるか他のバスを調達しなければならないのです。


 つまり、弁護士法人にしたところで既存の事務所を残せことはできるが、あたらしいボス弁(所長)がいない限り事務所があっても動かすことができません。


 私の事務所も弁護士法人ですが、私にもしものことがあったら、係属中の事件(お客さんに対するサービス)は勤務弁護士と事務職員で動かせますが、弁護士法人という事務所(バス)をそのまま残して使ってもらうためには他に人材(運転手)が必要なのです。


 そして、その人材は個々の事件処理業務ができればよいということではなく、資金調達や資金繰り、経費の管理などの財務関係、従業員の労務管理や福祉のなどの人事の関係、物品やテナントの管理などができなければならないのです。事務所(バス)が大きくなればなるほど事務所の管理業務は大変で、さらに大きな管理能力が必要になるのです。資金を自由自在にあやつり、人を自分の手足のように使い、環境を整えていく。こんな人材を見つけるのは大変です。


 今のうち、100パーセント能力がなくてもいいので、潜在的な管理能力のある人材を事務所の中で見つけ出し、日頃から自分が亡くなったら誰にどのようなことをやってもらうか考えておかなければいけないのかもしれません。


 


 

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