当事務所は,複数の銀行に口座を持っています。


 この口座は,大きく分けて本口座(いただくお金と出すお金。つまり事務所の運営のための入出金のための口座)と預り金口座(依頼者など人から預かって将来返還しなければならない口座)があります。


 本口座ですが、一つの銀行ではなく、複数の口座があります。これは,取引先から銀行が指定されている場合や、振込手数料が無料であるなどの事情によって複数つくることになります。


 私の事務所の本口座は,メインの口座がM銀行厚木支店,給与振込口座は振込手数料が無料のMU銀行,または弁護士会からの入出金については弁護士会ご指定のR銀行というように分けています。


 また,主たる事務所と従たる事務所では別々の口座を作って管理しています。


 そして,口座内の現金の入出金,特に本口座のお金の流れは1週間に1回はチェックしています。今週は先週と全く残高が変わらない,あるいはかえって減っていたりすると少し不安になり焦ったりします。


 ただ,1週間という単位だけではわからない場合があります。 毎月25日までにほとんど動きがなく焦っても,月末5日間で立て続けに入金が続きほっとしたりします。さらには,今月ほとんど動きがなくても次の月に入金が続き一挙に残高が増えたりします。


 これに対して出金ですが、これは1か月単位で大体同じ額が出ていくことがほとんどです。


 そして,たまに半年1年さかのぼって口座の入出金と残高の動きをながめると,大体お金がどうやって動いていくかつかめます。


 入金はほんとうにバラバラです。1か月単位で大体同じ金額が動けば理想的といえます。出金は大体1か月単位で同じ額が出ていくからバランスが取れ、安心してみてられるからです。

 私の事務所では、主たる事務所では比較的入金と出金いずれも1か月単位で同じような動きをしているのですが、従たる事務所については2、3か月を一つの単位とみると大体収支が安定していることがわかります。


 銀行口座をながめていると、本当にいろいろなことがわかります。法律事務所という1つの単位が生きていることがわかります。

 何か強い生命力、躍動感を感じます。


 自分の事務所をもつと、こういうお金の1週間、1か月、半年、1年という単位でお金の動きを見ていかなければならないと思います。そして、こういう短期、中期、長期という形でながめていけば、何か法則めいたものが見えてきて、サイクルがつかめます。もしこのサイクルが崩れているのであれば、原因をさぐり対処をしていく必要があります。

 この対処をしっかりしないと、最近多い弁護士の預り金横領にもつながりかねないと思います。


 法律事務所の銀行口座。ながめていると面白いですが、反面しっかり把握しておかないとあとでとんでもないことになるので定期的にチェックが必要だと思います。

 

 自分の事務所をもち、その事務所が発展して大きくなると、事件処理という弁護士の本来的業務以外にやることが増えてきます。このバランスをうまく保っていかなければなりません。


 

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