法律家が法律問題にぶつかった場合,思考法としては,

  問題提起⇒法律または法律解釈⇒事案へのあてはめ⇒結論

という論法をとります。


  これは,司法試験の答案の書き方で耳にたこができるほど聞いた話しで,そのとおり実践してきました。実際の法律的トラブルが発生した場合も,法律家は基本的にこの論法によって問題解決を目指します。

 このような論法によって,あらゆる法律問題は解決できるということでおそわり実践してきました。


 ところで,先日経営コンサルティング会社の船井総研の社長の話を聞いたのですが,経営の世界でも,

  問題点抽出⇒解決方法の思考⇒結論

と言った流れで経営を考えていくのが当たり前だと考えられてきたということでした。

  これは,法律家の法的論法とほとんど同じだと思います。


  つまり,法律的紛争というのは,社会の病理現象を解決する1つの方法です。

  問題点を抽出して問題を解決するという経営手法は,短所を是正する,つまり「病理現象」を解決していくという点では法律家の思考法と同じだと思います。

 

  しかしながら,社長の話では,現在の経営では短所是正,病理現象の是正という考え方ではやっていけないということです。つまり,短所を是正,病理現象を是正しただけでは普通の会社になるだけ。普通の会社になったところで成長期を過ぎ,成熟,衰退に向かっている経済社会では太刀打ちできないということです。

  

 高度な成長期を迎えた社会では,普通の会社になることで十分発展することができた。

 でも,成長期が過ぎた成熟期の段階では普通の会社ではなく,頭1つ,2つ飛び出さなければいけないということです。


  そのためには,短所を是正していくという考え方ではなく,長所を伸ばしていくことが大切。これは「長所伸展法」という考え方で,短所は致命傷にならない限りいじらない。それよりも長所を伸ばすことを考えなければいけないということです。

  船井総研の創業者船井幸雄さんが唱えている説です。


  そういえば,司法試験の受験指導の業界では,司法試験の答案を書くときは,とにかく人と同じことを書け。そうすれば最低限の守りの答案を書くことができる。無理に頭を出そうとして沈没するリスクを負う事はないと言う話をかなりきかされました。

  つまり皆横並びでいいということです。横並びで並べば,誰かが沈没するので合格できるというイメージでした。


  法律家の発想は,とにかく「普通の人になること」を目指します。経営者,経済界では長所を伸ばして差をつけて発展することが大切。

  長所伸展法が正しいとすれば,「法律家は商売が下手」ということは頷けます。弁護士会のコマーシャルを見ていてもやはり「法律家は商売が下手」ということは真実なのでしょうか。


  今後この業界がどのようになるか。よくわかりません。

 

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