本日は8月8日。もうすぐお盆の時期です。以前から,地方から都会へ出て生活している人が故郷へ帰省しようかな,と思う時期でもあります。


 私自身は首都圏で生まれ育っていますが,両親が地方出身者ですので,子供の頃子の時期に親に連れられて親の実家に帰省するということがよくありました。


 その帰省の場面で,今でも強く残っていることがあります。


 私の亡くなった父は司法修習期18期で,昭和42年頃登録1年くらいで独立して自分の法律事務所を構えています。昭和59年に亡くなるまで東京新宿で法律事務所を弁護士1人,事務員1人でしていました。典型的な昔の一匹狼弁護士でしたし,勿論当時は広告など規制されていましたので電話帳広告とか,新聞や雑誌に広告を出して集客したりしていませんでした。よくわかりませんが,ほとんど紹介ベースでお客さんが来ていたと思います。


 それでも,中には紹介ではなく,自力でお客さんをとってきたこともあったようです。


 そのような場面の1つとして次のようなことがありました。父と一緒に父の茨城県常陸太田市の実家に帰省するときに,常磐線常陸多賀駅からタクシーに乗ったことがあります。そのタクシーの運転手とお話して,20分くらいで着いたのですが,降りるときに「東京で弁護士やっていますので何かあったらよろしくお願いします」と言って,父がタクシーの運転手に名刺を渡していた記憶があります。当時は何気ない言動にしか思いませんでしたが,今から考えてみるとあれは弁護士の営業活動の一環だったのかなと思います。

 それにしても,今考えても茨城県北部(東京から150キロはありますし,常磐線特急で1時間50分はかかりました。おまけに,当時は常磐自動車道は開通していません)の人が,1回会っただけの東京の弁護士に連絡をして事件を頼むことがあるのかなと思うことがありますが,そういう細かいことは考えずにとにかく名刺を配ることが大事だったのだと思います。


 また,事務員をやっていた人に聞いたら,「先生はよく飲み屋に飲みに行くが,飲み屋で知り合った人の事件を受けてくるですよ」という話も聞いたことがありました。確かにうちの父親はほぼ毎日のように飲み屋に行っていたので,特定の店の常連になっていて,顔見知りの他のお客さんもいたのだと思います。飲み屋にはただ飲み食いのために行くのではなく,営業活動の一環としていっていたのだなと思うことがあります。たしかに,単なる一元のお客としていくのだったら「金を払って飲み食いする」だけになりますが,「潜在的なお客さんの開拓」ということであれば,まさに一石二鳥であり,飲み代も高いものではないかもしれません。


 他に,地域のゴルフクラブの会員になっていました。確かにうちの父親はゴルフが好きでしたが,そこから事件の依頼を受けるお客さんを開拓していたのかもしれません。


 昔の弁護士のイメージは,黙って座って事件をこなしていれば,誰かがお客さんを紹介してくれるというイメージがありますが,このように日常生活で当たり前にやっていることや趣味,嗜好など,単なる金の消費と自己満足の意味しかないと思われる行動にも,実は事務所の営業戦略が組み込まれていた。

 うちの父親は結構家でも寡黙で,社交性があるという感じではありませんでしたが,そんな性格で,典型的な昔の弁護士であっても,実は草の根を分けながら地上戦的な営業戦をくり広げていたのかもしれません。

 

 結局昔の法律事務所も,今の法律事務所も,何らかの集客活動が必要なのだと思います。

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