私の事務所も人の出入りがありますが,全体としては少しずつ人数が増えております。


 ところで,人数が増えてくると,さすがに家内制手工業的な組織体制では支えきれなくなってきます。


 私が以前裁判所の書記官でいたころ,裁判所の組織性というものをあまり意識していませんでしたが,今から考えてみるとさすがに三権の1つを担う国家的組織で,しっかりした組織になっているな,と感じます。


 大規模,中規模の裁判所だと大体次のような組織になっています。

 ○ 事務局

     総務,人事,会計,用度

 ○ 裁判部

     訟廷事務室(事件庶務,受付など)

     公判部・裁判部・事件部(刑事部,民事部,家事部,少年部)

       ⇒裁判官室(裁判官)

        書記官室(主任書記官,(平)書記官,事務官)

        家裁調査官室(主任調査官,(平)調査官,事務官)

       

 小規模の簡易裁判所しかないところ(通称独立簡裁,「ドクカン」と言っていました)では,10人以内の体制でやっていますので,1人何役もこなしますが,根本的には「組織」というものを意識しています。


 裁判所には裁判官,職員の配置図があって,それに組織名と内線番号が記載されていて,一人でも変わったりすると新しい配置図が作られてそれが皆に配られます。


  一方法律事務所はどうでしょうか。

  今まで見たり聞いたりしてきましたが,5人,10人規模の法律事務所ではほとんど誰がどんな仕事をしているのかということが意識されていないような気がします。特に昔ながらの事務所では,勤務弁護士や事務職員がいたとしても,すべての人が何でもやる。ボス弁も「何でも屋」で,事件処理はもちろんのこと,勤務弁護士や事務職員の採用,退職などの人事,通帳や現金の管理などの会計,物品の購入や事務所の内装,IT機器の管理,電気製品の故障の修理の依頼,措置などの用度の仕事をすべてをやっていて,それを事務局が手伝っている。勤務弁護士は事件処理をやるが,それでも中には勤務弁護士が事件処理の片手間で,エアコンの故障に対する修理の依頼や郵便物の発送受取りなど人事や用度の仕事を手伝ったりしている場合もあります。


 それでも,人数が増えてくると,このような伝統的な「皆が何でもやる」という体制では立ち行かなくなってきます。


 私の事務所も10人を越えましたので,「組織」というものが自然にできてきます。これをどこかのタイミングで明確にして,「組織図」とか「配置図」など作れればと思っています。


 中規模の法律事務所では組織図を作っている事務所もあるようです。


 今漠然と私の事務所でも「組織」ができつつありますが,次のような状態になっています。


 ○ 事務局庶務

     一般庶務(人事,用度など)+事件庶務

     経理

      いずれも所長が総括的に管理し,担当スタッフが動く。

 ○ 事件担当

     債務整理担当

     一般事件担当

          それぞれ⇒弁護士

                 事務局


   結構裁判所の組織のイメージがあります。ただ,裁判所がいくら立派な組織を作っているとしても,役所ですので,民間企業には当然ある部署がありません。それは「営業部」です。

   営業部といっても,知らない家を一件一件まわり新規のお客さんを開拓するという仕事ばかりではありません。これまでのお得意さんを維持するための訪問,挨拶状の作成送付,営業パンフレットの作成,新しいサービスの開発提案などです。また,弁護士会や法テラス,市役所の法律相談に行って事件を受任するという作業も「営業」に当たると思います。

   法律事務所はお役所ではありませんので,当然仕事が黙っていてもくるというシステムにはなっていません。ただ,これまでの法律事務所は黙っていても仕事が来る,という実情がありましたが,最近ではそうではなくなっています。

   そうすると,法律事務所でも「営業」ということを意識しなければならなくなっていると思います。


   私の事務所の実情では,外部の法律相談から受任するという点を除いて,チラシやパンフレットの作成,お得意様まわり,広告宣伝戦略の考案など,事件処理をこなしながらその片手まで所長弁護士が行っています。

   実際の作業は庶務のスタッフに任せたりしていますが,企画や工程などは所長が考えます。

   当然所長が事件処理業務が多くなってくると,こういう営業などの仕事に割く時間がなくなり,営業活動や戦略を考える時間がなくなり,事務所の将来が危うくなってきます。


   組織が大きくなると,日常業務も大事ですが,そればかりでは不十分です。将来的な構想なども必要になります。

   そうすると,「組織」性を明確にし,何でも屋的な存在をなくし,誰が何をやるか。役割分担をはっきりしなければ行かなくなってきていると思います。

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