家庭裁判所には,本庁と支部のほかに出張所があります。

 横浜家庭裁判所には出張所はないですが,東京家庭裁判所には,霞ヶ関にある本庁と立川にある立川支部,それに八丈島と伊豆大島にそれぞれ出張所があります。千葉家庭裁判所には市川に出張所があります。


 出張所には,本庁から裁判官や書記官が定期的に出張してくるシステムになっています。


 千葉家庭裁判所の市川出張所は事件数が多いらしく,1週間に1回くらいは出張があるそうです。市川出張所を支部に昇格して欲しいとの声も強いそうです。


 それに比べて,東京家裁の伊豆大島出張所と八丈島出張所は事件数も少なく,出張回数も少ないのです。


 私が東京家裁で書記官をやっている頃,出張所への出張は,各係に順番に出張が割り当てられていました。出張のときは,審判官と書記官,家裁調査官が必要な事件があるときは調査官も一緒に出張します。

 伊豆大島出張所は2か月に1回,八丈島出張所は3か月に1回の割合で出張していました。


 私は4年間東京家裁に在籍していましたが,伊豆大島出張所への出張が2回まわってきました。伊豆大島出張所は伊豆大島簡易裁判所と同じ建物にあります。私が出張したのは平成12年か13年頃でしたが,伊豆大島の裁判所には,簡易裁判所判事1名と書記官1名(庶務課長兼務),それに裁判所事務官でした。裁判所事務官は地元の人でした。書記官と事務官は,簡裁の辞令のほかに家裁の辞令も受けているようです。


 申立書の受付は,家裁の辞令も受けている庶務課長が行い,処理は出張してきた審判官,書記官が処理します。

 私が伊豆大島に出張したときは,離婚調停が1件,相続放棄が1件,子の氏の変更申立てが1件ありました。離婚調停などは,本庁から出張が来る日だけしか期日を入れないので,2か月に1回しか期日が入りません。あまり待てないという方には霞ヶ関の本庁へ申し立てるよう受付で指示しているようでした。

 飛行機が欠航になったりして伊豆大島に行けなかったとしても,別の日に行くということにはなりません。その回の出張は中止になり,再び出張があるのは2か月後になります。ですから,急いでいる人は出張所には申立てをしないようでした。


 出張は,事件数が少ないためいつものんびりしていて,大体宿泊つきで出張し,時間が余るので伊豆大島を自動車で1周して案内してもらいました。帰りには,調停委員の先生から明日葉をもらって帰った記憶があります。


 弁護士になってからは家裁出張所の事件を受けたことはありませんが,機会があれば伊豆大島や八丈島に出張ができる日がくればと密かに期待しています。


 

 

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