■民間企業の施設は、経営状況をチェック
★入居率が経営判断の指標になる
経営状況をチェックするには、賃借対照表や損益計算書などの財務諸表の提示を求めてみることも必要です。事業者によってはホームページで財務諸表を公開しているところもあります。経営に自信のある優良な事業者ほど、情報公開に積極的だといえます。もし情報の開示を拒むようなら何か問題があるのかもしれません。理由を尋ねてみましょう。回答の仕方によって、事業者の姿勢がかわることもあります。ただし、数字を見ても、開設から数年間は赤字となっている事業者も少なくなりません。入居率が高まるにつれ、経営が安定していくからです。そのためにも赤字に耐えられる資金力があるのか、また、親会社をはじめ、どんな企業がバックアップしているのかをチェックすることも大切です。とはいえ、一般的には財務諸表をどのように見ればよいのかわからないというのが現状だと思います。全国有料老人ホーム協会では、会員ホームの財務諸表を開示し、その見方についても相談に応じていますから、こうした機関を利用するのも手かもしれません。もっと簡単に経営状況を判断する方法として、入居率を確認するという方法があります。有料老人ホームのコンサルティングをしている「タムラプランニング&オペレーティング」によると、安心の目安として、開設から1年以上の施設では入居率60～70％という数字を示しています。新規に開設されたホームは別ですが、開設から数年経っているにも関わらず空室が目立つようなら要注意です。入居率はホームに直接尋ねるほか、重要事項説明書にも記載されていますので、一度確認してみるとよいでしょう。
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