「現状を愉しむ」の先にある「現状を打破する」。

現状を打破する

　目的を見失うことなく、やるべきことをやり続ける。知恵を絞り出して、そのやり方をアップデートしていく。そうすることで、現状を打破することができます。歴史作家の塩野七生は、「危機を打開するには、何をどうやるかよりも、何をどう一貫してやり続けるのか、の方が重要です。」と語ります。

　４月に人口戦略会議が発表した「消滅可能性自治体」の中に枕崎市がリストアップされました。このことは真摯に受け止めようと思います。本市は平成の大合併の時代に合併せずにこれまで進んできていますが、その結果として見方によっては、とてもバランスの良いまちのカタチをしています。さらに、国内シェア約50％の鰹節製造業という産業があり、しかも鰹節が日本人の生活に欠かせない食品であるということは、産業の持続可能性としては大きな強みであると思います。もちろん他の産業についても、その持続可能性を高めていくことで雇用を生み、市民生活の質を高めていく努力をやり続けてまちを維持していくことで、数字データを覆すことができます。2014年に日本創生会議が「消滅可能性都市896のリスト」を発表してから10年、デフレ脱却に至らず、東京一極集中の人口偏在が解消されない現実こそが、問題視されるべきとも思います。

　先月のコラムに「現状を愉しむ」と書きました。「現状を愉しむ」ということは現状に安住することではなく、磨く、アップデートしていくことで、現状を変える、打破することにつながります。「現状を愉しむ」の先にある「現状を打破する」を、これもやはり楽しみながら前向きに進めていきたいものです。

枕崎市長　前田祝成

６月は現状を打破する