「熱中症」にはさまざまな症状があります。めまいやふらつきなど熱中症の初期症状に気付いたらすぐ休むべきですが、もともと体調が悪いために頭痛や倦怠感を感じている方は、熱中症になっていても気付かないことがあります。また熱で意識がもうろうとしてきて、自分の状態を判断できないまま急に意識を失う場合もあります。
熱中症が発症してしまった時には、適切に応急処置をする必要がありますが、以下の点を観察しひとつでも当てはまれば、すぐ医療機関に連れて行きましょう。
1.
本人の意識がはっきりしてない
2.
自分で水分や塩分
(ナトリウム)が摂取できない
3.
水分補給など何らかの対処をしても症状がよくならない
①.症状の確認
熱中症が疑われる時には、適切に応急処置をする必要がありますが「意識がない、もしくは意識がはっきりしていない」場合はすぐに救急車を要請しましょう。また、救急車が到着するまでの間に現場での応急処置も必要となります。
②.現場での応急処置
救急車を呼んだ場合もそうでない場合も、現場では速やかな処置が必要です。症状や重症度に関わらず、熱中症が疑われる時には涼しい場所へ移動し身体を冷やすことと、水分と電解質を速やかに補給する必要があります。
<涼しい場所へ移動させる>
風通しのよい日陰や、できればクーラーが効いている室内などの涼しい場所へ移動させましょう。
<身体を冷却する>
・衣服を脱がせたり、きついベルトやネクタイ、下着はゆるめて身体から熱を放散させます。
・露出させた皮膚に冷水をかけて、うちわや扇風機などで扇ぐことにより体を冷やします。
・氷のうなどがあれば、それを首の両脇、脇の下、大腿の付け根の前面に当てて皮膚のすぐ近くにある太い血管を冷やしましょう。
環境省 熱中症環境保健マニュアル「3.熱中症を疑ったときには何をするべきか」を基に改編
熱中症が起こりやすいのは、太陽が照りつける暑い日だけとは限りません。どんな日に注意したらいいかを、グラフとともに見ていきましょう。
引用)森本武利,中井誠二:熱中症(II)熱中症の疫学. 産業医学ジャーナル 39(4):24-30, 2016.
7月~8月の日中、最高気温が高くなった日に熱中症の患者数が増加しています。また熱帯夜が続くと、夜間も体温が高く維持されてしまうため、熱中症が起こりやすくなることがわかっています。
熱中症による救急搬送は、真夏日(最高気温が30度以上)になると発生し始め、猛暑日(35度以上)では急激に増加します。(森本,2015)
梅雨の晴れ間や、梅雨明けの急に暑くなったとき
梅雨の晴れ間や、梅雨明けの蒸し暑くなった時期にも熱中症は多く見られます。この時期は身体がまだ暑さに慣れていないため上手に汗をかくことができず放熱量が低くなる為、体温をうまく調節できないからです。暑い日が続くと、次第に身体が暑さに慣れてきます。これを「暑熱順化」といいます。
💡こんな日、場所には要注意!!!
気温が高い日
暑くなり始め
湿度が高い日
風が弱い日
日差しが強い日
熱帯夜の翌日
照り返しが強い場所
熱いものがそばにある場所
急に暑くなった日
出典:環境省環境保健部環境安全課、熱中症環境保健マニュアル(H26.3月改訂)
乳児や幼児は、大人より新陳代謝が活発で体温が高いのが特徴です。しかし大人と比べて、汗腺の発達が未熟なため、うまく体温調節をすることができません。炎天下の車の中など、体温よりも周囲の温度が高くなる場所では、短時間で体温が上昇し、生命に危険が及ぶこともあります。
気温が高い晴れた日に外出する時も注意が必要です。晴れた日は地面に近いほど気温が高くなります。例えば気温が32℃のとき、地面から50cmの高さでは35℃、5cmの高さでは36℃以上になっていました。ベビーカーに乳幼児を乗せて外出するときは、様子を見ながら十分気をつけましょう。
乳幼児の熱中症を防ぐポイント
- 1顔色や汗のかき方を十分に観察しましょう
子どもを観察したとき、顔が赤く、ひどく汗をかいている場合には、深部体温がかなり上昇していると推察できるので、涼しい環境下で十分な休息を与えましょう。 - 2適切な飲水行動を学習させましょう
喉の渇きに応じて適度な飲水ができる能力を磨きましょう。 - 3日頃から暑さに慣れさせましょう
日頃から適度に外遊びを奨励し、暑熱順化を促進させましょう。 - 4服装を選びましょう
幼児は衣服の選択・着脱に関する十分な知識を身につけていません。そのため、保護者や指導者は熱放散を促す服装を選び、環境条件に応じて衣服の着脱を適切に指導しましょう。
出典:環境庁環境保健部環境安全課、熱中症環境保健マニュアル(H26.3月改訂)








