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雑感

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小倉美咲ちゃん行方不明事件

またまた間が空いてしまいました。
例によって、この間に美咲ちゃん事件の関連で思ったことを書いてみますと、
 まず「下着(肌着)」のことでしょうか、これを言うと詳しい方々からは
「お前、今までそんなことも知らなかったのか!?」
と呆れられてしまうかもしれないのですが、どうも美咲ちゃんって彼女が着ていた例の「黒の長袖ハイネック」の下に「下着」を着ていたらしいのですよ、正確に言えば、そういう情報がある、ということではあるのですが、
ともかくもあの日の彼女は一番上に羽織っていた「青系チェックの上着」の下に「黒の長袖ハイネック」とさらにその下に「下着」という、要は「3枚重ね」のいでたちであったと、そういう情報があると(ちなみに青系チェックの上着については、失踪時には脱いでいたのが確認されています)。
なぜ黒の長袖ハイネックの下に「下着」を着ていたということが言えたのかという点については、例の裁判があったじゃないですか、あの美咲ちゃんの母親を犯人扱いしたブログ(怨霊云々というブログ)を立ち上げネットでかなり話題になっていた人物と美咲ちゃんの母親が法廷でやりあった例の裁判ですね、
その裁判を傍聴していた人によると、美咲ちゃんの母親が裁判官とのやり取りの中で、失踪当日の美咲ちゃんのいでたちについて
上は3枚重ねで着ていた
と証言したとのことなのですよね。(なぜ法廷で当日の美咲ちゃんの服装に関するやりとりがあったかということについては、例のキャンプ場で撮られた美咲ちゃんの服装が写った数枚の写真(公開されたもの)について、
「いやこれは合成の偽画像である。キャンプ当日ではなく、別の日に撮影されたものに違いない」
等の主張があって、そのため、美咲ちゃんが当日着ていた服などについても裁判官と母親との間で質疑応答があったということではないかと推測します。)
私はこうした情報(黒の長袖の下の下着云々の情報)があるということについても、これまで全く知りませんでした。というのは、私的には美咲ちゃんの遺骨や遺留品が例の涸れ沢を200~300m程度さかのぼった場所から出てきたという時点で「第三者が介在した」ということはほぼ決定と思っていたので---これが
「一行は登山に来たグループであり、登山中・下山中に起きた行方不明事件であった」
とか、美咲ちゃんがもう少し年長で
「常日頃から山奥の急峻な場所にでも一人で入り込んでしまう困った子だった」
とかなら確かに見方は変わるのでしょうが---その時点つまり涸れ沢のあの場所から遺骨遺留品が出てきた時点で「第三者の介在は決定的」として横着を決め込んでしまい、例の涸れ沢を掘って何がどう出てこようが今一つ関心がわいてこなかったと、なので、事件を主張する人々の中に
黒のハイネックの下に下着(肌着)を着ていたはずだ。それなのに、黒のハイネックだけが単独で発見されたのはおかしい。黒ハイネックの下の下着はどこへ行ったのだ? 下着が消えていることは事件性が疑われる証拠だ
という趣旨のことを言う人々がいても---つべの動画にそういうコメントが寄せられていること自体は知っていました---私としては
「黒長袖の下の下着? 変なこと言ってるなあ。しかしどうでもいいや・・・」
くらいの反応で今一つ関心がわかず、その発言の背景を調べようともしなかったと。
しかし先日に警察の涸れ沢での捜索が一段落して、自分の中でも総括的にこれまで発見された遺骨・遺留品についてぼんやり思い起こしたりしてみる中で、
「そういえば、黒長袖の下の下着云々というコメントもあったなぁ・・・」
と思い出し、「あれって何のことを言っていたのだろう?」と思い調べてみたところ、先述の裁判傍聴云々の話が出ていたと。
そういうわけなのですが、仮にこの裁判傍聴云々の話を事実だとすればですが、考えてみれば確かに、
「黒長袖の下に重ね着していた下着がきれいさっぱり消えていて、黒長袖だけが発見される」
というのも不思議な話ではあるなと。(確かその黒長袖についてはあまり劣化してなかったというような報道があったように思います。)
これについては、事件ではなく事故を主張している人々としては、
「女児が錯乱して黒長袖も下着も脱いだので双方は分離したのだろう」とか、
「クマなどが黒長袖がボロボロにならないよう上手に脱がせて、下着だけ別の場所にもっていったのだろう」
とかの説明になるのでしょうが、
私の感覚としてはやはり黒長袖だけが見つかり、その下の下着がきれいさっぱり消えているというのは何か不思議だなと感じますし、
「黒長袖はヒートテックであり素肌に着るのが基本だからその下に下着を着ていたのはあり得ない(つまり下着云々の話自体が嘘である)」
という見方もあるかもしれませんが、世の中には衣類のいわゆる基本的な着方に絶対的に忠実であろうとする人ばかりではないというのが普通でしょうし(というかむしろそこまで原理原則にこだわる人のほうが珍しいのではないかと。今ここをご覧の方も、平素上着や下着を着るのに、そこまでメーカー推奨の基本的な着方みたいなものに絶対的に忠実であろうとされてますか? 私は意外に「意識的にか無意識的にかは別としても、長袖ヒートテックの下に半袖の肌着を着ていることがある」という人々もいるのでは?と想像しますが)、
美咲ちゃんの場合で言えば、朝起きてパジャマと薄手の下着姿であると、そこでキャンプへの出発準備に慌ただしくしている母親が
美咲、今日は山でのキャンプよ。台風は逸れそうだけど風もそれなりには吹くだろうし、天気も曇り模様で雨もパラつくかもしれないし、その恰好じゃ寒いので上に何か・・・、ほら、黒の襟の高い長袖あるでしょ、あれと、チェックの上着を着ときなさい
という流れは普通にあり得るのであり、逆に、
美咲、この黒の長袖はヒートテックというもので、その原理は発汗による水分を繊維が吸収して発熱するものであり素肌に着るのがメーカー推奨の基本でそうしないとダメなのよ。だから基本に忠実に、今着ているその下着を脱いで、この黒長袖一枚になりなさい
と指導する母親のほうがむしろ私としては想像しにくいかなと(そういう母親もいることはいるでしょうが)。
あるいは例えば誰かが秋口夜の風呂上りにビール飲みたくなったと、コンビニ行こうかなと、ところが上は薄手の下着(半袖シャツ)一枚で外は若干ひんやりしてそうだと、下着姿で出るのは少し寒いかもしれないし、なにより格好が悪い、
そうだ、ユニクロで買った黒の長袖あったな、あれを上に着て出よう
という場合も全くあり得ない話ではないわけで、逆に、
おっとそうだった、この黒の長袖はヒートテックという吸湿発熱性能の素材で素肌に直接着るのがメーカー推奨の着方だったな。どれ、原則通り、下着を脱いで素肌に直接この黒長袖を着て出ようかい
となるほうがむしろ珍しいのでは?(そういう人もいるだろうとは思いますが)という風に想像するわけです。他社のはよく知りませんが、ユニクロの長袖ヒートテックなどというのは繊維が特殊というだけで、みてくれは何の変哲もないただのロンTですから、
いずれにしても誰かが下着とヒートテックを重ね着していたところで、私には「そんな場合もあるだろう」ということで全く不思議な話とは思わないわけですし、
仮にあの裁判の傍聴の話が事実だとすれば---私は事実だろうという印象を受けたので書いているのですが---美咲ちゃんは当日そのような重ね着状態だったということになり、
にもかかわらず涸れ沢の腐葉土の下からは黒長袖のみが見つかりその下に着ていたのであろう下着(肌着)が忽然と消えていた・・・というのは妙な話だな、とは思うわけです。仮に事実だとすると一体どういうことが考えられるのかな?と。

それと、「見つからなかった」ということで言えば、残り200個程度と思われる大量の骨のパーツや、ジーンズパンツなんかもそうですよね、これらも、ついに発見されませんでした。
それでそのジーンズやパンツの話なんですが、これについても、事件を主張する人々が
ジーンズやパンツが見つかっていないのが事件である証拠だ。それらは小児性愛者である犯人が所持しているのだ
といったようなコメントをされていたと思うのですが、私はそうしたコメントを見て
「不思議なことを言うなあ。小児性愛者による死体遺棄事件の場合で、『必ずズボンやパンツが奪われている』なんていう法則があったっけ?」
とぼんやり思いながら、これにも特に関心がわかず、過去の事例を調べてみるということもないままに放置していたのですが、
いずれにしても結局ジーンズやパンツは未発見のまま終わったということで、これも不思議といえば不思議な結果ではあったなと。
このジーンズやパンツが見つからなかったという問題については一部「事故」を主張している人々からは
ジーンズやパンツは綿100%の製品だったのだ。だから2年数か月のあいだ土中に埋もれているうちに土に還ったのだ
という主張があることは知っていますし、これに対して事件を主張する人々からは
化繊混合のジーンズであれば化繊の部分は残るはずだ
という主張がなされていることも知ってはいるのですが、
私などが思うには、よほど綿100%のデニムに拘りがある親(その種のデニムのファンであるとか自然素材派であるとか)なら話は別ですが、
そうでなければ、年ごとに背丈が伸び肉も付く小1の育ち盛りで運動も得意だという子供には、ジーンズをはかせるにしても基本伸縮性が期待できない---それどころか洗濯後の丈やウエストの縮みが気になる---綿100%のそれよりは伸縮性に富んだ子供用のソフトなストレッチ素材(化学繊維)を織り込んだタイプを履かせる可能性のほうが高いのではないかと思うのであり、美咲ちゃんの母親もおそらくそうしていたのでは?と想像するわけです。
とすると仮に2年数か月のあいだ土中にあり綿の部分は土に還ったとしても化繊の部分は残る、という見方のほうに妥当性を感じるのであり、
ジーンズといえば比較的大きなものであるにもかかわらずそれが未発見に終わったというのは、これもやはり不思議と言わざるを得ないのかなという気がします。
しかし、なるほど、結局ジーンズもパンツも出てきませんでしたか・・・。
私はジーンズやパンツが見つかる見つからないの問題は事件性の有無を見るにあたって本質的なことではないと考えていましたし、今でもその考えは変わらないのですが、なるほどジーンズやパンツは結局見つからなかったようではありますね。
ジーンズといえば厚く、大きく、そして流れにくいものです。
そうであれば、涸れ沢の木や岩にでも引っ掛かっているのが自然と思われるのですが、それが見つからなかったというのは、よくよく考えてみれば本当に不自然極まりないことかもしれません、確かにこれは事件性を主張する方々(の一部)が言われているように、小児性愛者による事件であることを裏付ける傍証の一つといえるのかもしれないなと、私もなんだかそんなような気がしてきましたよ・・・。(冗談です(笑))
(あとこれは余談なのですが、
「綿100%で土中なら2年数か月で土に還って跡形もなくなる」
という見方について、実際にそうなるかは、涸れ沢の具体的な環境も勘案して考察したほうがいいのではないかと思ったりもします。
どういうことかというと、あの東西からの日の光を尾根にさえぎられた北向きの薄暗いV字谷である涸れ沢の環境(土壌は大量の岩や石、小砂利混じり、遺体があった地点はおそらく標高750m前後)でどれほど
温暖な平地の日の当たる畑やコンポストで実験してみました
などというデータが通用するのか、涸れ沢の問題の箇所の春夏秋冬1年を通しての気候であるとか、そこに存在する微生物の種類やそれらが気温何度くらいで活性化するのか、そこにある水分はバクテリアの活性を促すに十分か(または過剰ではないか)等々様々な要素も勘案し、対象物(ジーンズ)の大きさや繊維の太さなども勘案したうえで論じたほうが良いのでは?と思うのですがどうでしょうか。
要するに「綿100%で土中なら2年数か月のうちに土に還って跡形もなくなる」云々のことは、そう簡単に一言で、十把ひとからげ的に断定しないほうがいいのでは?と思うわけです。)

 さてさらに続けまして、これも先述の「下着」問題と同じく、詳しい方々からは
「おたく、今の今までそんなことも知らなかったの?」
と呆れられてしまうかとは思うのですが、例の椿林道の終点をさらに突き抜けた奥地で発見された「足跡風のくぼみ」の話です。
私これごく最近知って驚いたのですが、あの「足跡風のくぼみ」について、発見者はそのサイズにつき2019年9月の時点では
17cm程度
だったと証言していた、という情報があるのですよ。
これには本当に驚きまして直ちに調べてみたのですが、事実であることが確認できましたので、以下に「2019年9月26日」にヤマップ上でなされた発見者本人による投稿をミスタイプもそのままに原文で紹介させていただきますと、

23日に捜索入ったものですが、椿沢沿い800m付近にて17センチ程度の足跡をらしきものをいくつか見つけました。

とあるわけです。
今ここをご覧いただいている方々もお忘れではないと思うのですが、あの「足跡風のくぼみ」の発見者は今年(2022年)5月のテレビ出演時にはあのくぼみの長さについて
20cmいくかいかないか
と証言されていたわけですが、最初期(2019年9月の行方不明直後)には「17cm程度」と証言していたものが、何故にその2年8か月後の本年5月のテレビ出演時にはサイズが3cmも伸びて「20cmいくかいかないか」に変わるのか、
「人の記憶はあいまいなものだ」とか、
「記憶がすり替わることはよくあることだ」
とか色々と考えてはしまうのですが、
まあ証言内容がいつの間にか変わってしまった理由についてはここでいちいち詮索はしないとしても(どうのこうのと責めるつもりは全くないので)、
やはり記憶が最も生々しく鮮明だったと思われる行方不明直後(2019年9月)になされた
足跡の長さ=17cm程度だ
という証言は軽んじるべきではないと思うのであり、多分にそれ(17cm程度)がこのくぼみの本当のサイズだったと思うのですよ。
発見者本人が16cmでもなく18cmでもなく「17cm」という具体的な数字を挙げて説明しているわけですから、きっとメジャーで測るなり、指を広げてみてほぼ正確なところを把握されたのだろうと察して不都合はないはずだと。
するとどうなってくるのか、私としてはくぼみのサイズ「20cmいくかいかないか」の時でも正直、
「美咲ちゃんの靴跡の外寸としては話にならない(小さすぎる)」
と思っていたのですが、今度はそれが「17cm」なわけですよ、ここまでくるとさすがに率直に言って(美咲ちゃんの足跡としては)もはや「論外」とはっきり言っても差し支えないのではないかなと。
そもそもこの「足跡」についてはユーチューバー「日本一周アルグ」氏のように
これは動物の足跡が二つ重なったもので間違いない
とする見方さえあるわけですが、ここでは百歩譲ってそれを「外寸17cmほどの人間の靴跡」だと仮定しても、その靴の「内寸」は14cm台~15cmジャスト程度だということになり、「その靴の主の足のサイズも同様だ」ということになり、
要するにそれは「2歳半~3歳ちょうどくらいの幼児の靴跡」だということになり、「サイズ20cmのアキレス瞬足(足跡の長さ=アウトソール長=23cmほど)」を履いていた美咲ちゃんの足跡とみるのは完全に論外と言わざるを得ないわけですし、
小倉美咲ちゃん行方不明事件
かといってそれが「誰か他の、もっと幼い子供の足跡なのか?」ということを考えてみるにしても、例えばユーチューバー「物欲に負け続ける男」氏その他の方々が公開されている「足跡発見現場付近の動画」を見れば分かるのですが、あの山奥あのような場所に2歳半~3歳ちょうど程度の幼児が忽然と出没し、雨でぬかるんだ地面に足跡をポチッと付けて他には痕跡を残さずどこかに立ち去った図というのは現実感に乏しく、これに対しては
「いや、大人が連れてきた可能性だってあるじゃないか」
という反論もあるかもしれませんが、残念なことに「足跡」の発見者本人が2019年9月の一連のヤマップのやりとりの中で次のように証言しているのですよね(以下「」内、原文ママ)、

キャンプ場から椿沢沿いに登山道?みたいな道があって(多分最初メインでみんな調べた場所)ずっと上がっていくといきなり行き止まりになっています。そこから強引にいくならば、崖登って尾根沿いにいくor沢沿いにいくの二択で、我々は沢沿いに行きました。あしあとは、そこから150m〜200mくらい登ったとこの椿沢の支流??みたいなとこの近くにいくつかありました。入った時は大人の踏み跡は僕らだけで、最後の足跡の隣には、1mくらいの木の枝が刺さっていて、それも人工的かなと思いました。かかとの角度からして、最後の踏み跡は山側に向かってました。一応活動記録と、最後の足跡の写真自分ものっけますね。

つまり発見者によると、その「足跡」発見現場には大人の足跡は一切見られず、あるのはその「17cm程度」の「足跡」だけだったと証言しているわけで、
「足跡の現場まで、大人に連れてこられたのでは?」
という線はこの証言自体によって否定されると。(ついでに、「その「足跡」のあたりに大室山から下山してきた登山者の足跡があったので美咲ちゃんはその足跡を逆にたどるように斜面を登って行ったのではないか?」というような見方も、「そもそもその周囲に大人の足跡無し」という発見者の証言自体によって否定されるかと。)
とすると、この「足跡」を「人間の足跡である」と考えたい立場からは、どうしても先述したような
「2歳半~3歳の幼児がたった一人であの山奥の現場に忽然と出没し、雨でぬかるんだ地面に足跡をポチッと付けて他には痕跡を残さずどこかに立ち去った図」
というのを想定せざるを得なくなるわけですが、
言うまでもなくこれはさすがに荒唐無稽すぎて検討には値せず、結論としては、あの「足跡風のくぼみ」が「人間の足跡である」ということさえも、この際完全に否定して差し支えないのでは?という風に思うわけです。
(そもそもあれを美咲ちゃんの足跡だとすれば、雨に打たれていたにもかかわらず妙に輪郭がクッキリしすぎており怪しさ満点なのであり、そのあたりについては当ブログの美咲ちゃん関連記事「その31」「その34」でも詳しめに触れていますので、よければご覧になっていただければと。)

 ところでこの美咲ちゃんの事件について「事故だ」と言っている人々というのは例の椿林道終点を超えた先にある「足跡」の現場から美咲ちゃんがさらに西山の急斜面を這い上って上の尾根道に到達し、そこから尾根道を北に歩き943ピークを経由し涸れ沢の上流部まで下ってそこで(あるいは涸れ沢の左右の尾根のどこかで)足を踏み外し滑落したのだという見立てなわけですが、一言で
「西山の急斜面を這い上る」
といっても斜面のどの部分を這い上るかは人それぞれで一概には言えないとしても、そのうちの一つのルート(とはとても呼べない文字通りの道もなき急斜面ですが)を上の尾根道まで這い上った動画をユーチューバーの「物欲に負け続ける男」氏が撮影しアップしてくださっていますが(7月18日にアップされた、「22年7月 山梨県道志村 椿林道終点→足跡付近→943ピーク(西山)」というもの)、このブログをご覧いただいている方々であればすでにあの物欲氏の強烈な動画はご覧になったことと思います。
(ちなみに椿林道終点を超えた先の沢や樹林の様子を収めた動画としては、同じくユーチューバーである「やおやのちょうべえ」氏による「2-40番台~60番台」の動画が参考になります。動画数が多いので、再生リストでお目当ての動画の番号から順に自動再生して見ると見やすいですよ。
また同じくユーチューバー「ななしごんた」氏の動画(美咲ちゃん捜索動画の4番)も参考になります。こちらは2年前の夏に撮影された動画で、椿林道終点の先の様子を少しではありますが垣間見ることができます。)
それで話を戻しましてその物欲氏の動画なのですが、私は以前に美咲ちゃんが山を登った(登れた)可能性について、
「目的を登山に切り替えて必死で登れば登れるとは思う」
と言っていたのですが、物欲氏の動画を見ていて、その自分の認識は甘かったかもしれないと思いました。どういうことかというと、
目的を登山に切り替えて必死で登っても登れない
というのが正しいかもしれないなと。
もう少し細かいことを言えば、仮に7歳女児であっても、しっかりと腹ごしらえをし、午前中の明るいうちにスタートし、
「登り切る」という強い意志を持ち、さらに登山経験豊かな信頼できる大人に付き添われて、その大人からの「頑張れ」等の励ましの声
ルートはこっち
ここが登り口だ
ハイそこに足をかけて、そこを手で掴んで
その石は浮石だから足を置くな
その根は脆いから掴むな
ここで休憩、栄養補給(水分補給)

その他数々の助言、介助を得ながらであれば、あるいは登攀自体は可能かとは思いますが(いや、しかし物欲氏が文字通り四つん這いになり木の根を掴みながら命がけで登攀して見せてくれたあの急斜面はそれでも普通の小1女子にはやはり無理ではないかと思いますね・・・)、
実際にはそんな介助などあろうはずもなく、そもそも本人は沢遊びをしている友人らに合流しようとして出かけた、「登山」に来たわけでもない7歳女児であり、
椿林道終点に立った時点で時刻は夕暮れ近く、仮に小さな体で椿林道終点を突っ切って道なき道に分け入ったとしても大岩ゴロゴロの椿沢をどうやって西山斜面側に渡河するのか、どの部分を渡るか、
渡った先に広がる、見渡す限り同じような景色にしか見えない薄暗い樹林を前にして一体どの方向に進めばよいのか、
しかも物欲氏や369氏、ななしごんた氏の動画(およびこの方々のコメント)を見る限り、この一帯の山林は油断すればすぐに吸血ヒルに喰いつかれ足が血まみれになるという状況の中で、
「登山知識」
「椿沢や西山に関する予備知識」
「GPS」
「地図、地形図」
「時計」
「懐中電灯」
「登山靴」
「食料や飲料水」
「蚊やヒル避けのスプレー」

等々、これらすべてを持ち合わせておらず、
自分が一体いまどこにいるのかもわからず、
どちらの方向に行けば何があるのかもさっぱりわからず、
当然我々大人が後から言っている西山山頂への「登り口」なるものがどこにあるのかもさっぱりわからず(というかそもそも美咲ちゃんは山登りに来たわけではない)、
つまり小さな体で何一つ持たず何一つわからない状態であの現場に放り出されれば、そこから美咲ちゃんが(仮に事故を主張する人々が言うように「子供は上に登る」の法則で)西山の斜面に向かって湿っぽい落ち葉の上をトボトボと移動して行ったのだとしてもそれは「目的地&経路」をインプットした自動運転の車のように整備された坂道を目的地に吸い寄せられるように迷いなくスイスイと登って行った・・・ということにはならないはずであり、
おそらくは随所で「ここどこ?」と途方に暮れたり、どちらへ向かうべきか逡巡しては立ち止まり、行くべき先が分からないままに歩き回り、歩き回った先で岩や斜面に行く手を阻まれて引き返し・・・といった行動を繰り返すのが自然だと思われ、
しかもその間、顔や体にまとわりついてくる大量の蚊やアブ、ハエを立ち止まっては必死で手で払い除けたり、
落ち葉の堆積にズボッと足を取られてスニーカーが脱げてしまったり、
足に喰らいつくヒルに気づいて悲鳴を上げて座り込み震える手でヒルを掴んで(というか彼女には掴むこと自体無理かも)地面に投げつけたりというシーンがあの場所なら当然のこととして連想されるのであり(というかこの時点で小1女子は「お母さーん!」と泣き叫びへたりこんで終わりかと。「これは道迷いによる事故なんだ」という方々は
「パニックになったから登った」
「動物に追われたから登った」
「子供は上に登るから登った」
などと「登った理由」を云々するのは結構だとしても、
未舗装ながら車も通れる迷いようのない一本道である椿林道でさえ“迷って”しまう方向音痴の虫が苦手な身長125cm小1女児で、スニーカー履き、水なし、食料なし、GPSなし、時計なし、懐中電灯なし、地図・地形図なし、現地の予備知識なし、登山靴なし、蚊やヒル避けのグッズなし、害虫への耐性もおそらくなしで無い無い尽くしの美咲ちゃん
がなぜ椿林道終点先の樹林の中のヒルうじゃうじゃの道なき道の同じような景色ばかりで方角さえわからない中をあたかも
「上の尾根道との合流、943ピークを目指すぞという強い目的意識を持った、現地の予備知識がありヒル対策もばっちりの大人の登山者」
がGPSを駆使して「登りやすいルート」なるものを選択しながら歩いたがごとく
「迷いなく大過なく日のあるうちにスイスイと上の尾根道まで行けた」
という設定になっているのか、それが不思議なところではあります。現実は頭の中でゲームのキャラを動かすようにはいかないはずかと)、
だとすると現実は多分に西山斜面への登り口に足を踏み入れる前の段階で日が暮れてしまったという流れが考えられ(行方不明当日、月はほぼ半月ながら天気は曇り、人工的な明かりなど何もない山奥のことで、17時45分の日没を迎えれば、大げさではなく、自分の眼前にかざした手のひらさえ見えないという漆黒の闇となる)、
そうなれば西山斜面を登りきるどころか、それ以前の、西山斜面の登り口に足を踏み入れる前の段階の、椿林道終点の先の椿沢あるいはその支流を少しさかのぼった程度の場所で日が暮れ、完全な暗闇の中で一歩も動けず泣きながらへたり込んでしまう・・・ということのほうが可能性としては高いのでは?と思われるわけです。
実際にそうなる可能性---西山斜面の登り口を発見しそこに足を踏み入れる前の段階で日が暮れてしまう可能性---が多分にあることの傍証というほどでもないかもしれませんが、先に言及したユーチューバー「やおやのちょうべえ」氏の動画が参考になります。
ちょうべえ氏はその動画「2-43」でキャンプ場の「椿二の橋」あたりでストップウォッチをゼロに設定し「足跡」発見地点方向に向けて例の堰堤経由で椿林道を歩き始め、動画「2-63」において椿林道終点を超えた先の沢沿いを少し上がったところに到達するわけですが(現場一帯はハエが多く体にまとわりついてくる様子も確認できる)、
この動画「2-63」においてちょうべえ氏は
自販機から堰堤ルートを通ってあっちこっちさまよってここまで2時間21分ですね
と腕時計を示しながらコメントをされています。
美咲ちゃんの場合は、彼女がキャンプ場の「南の広場」を出発したのが15時40分頃のことであり、
仮に美咲ちゃんが成人男性であるちょうべえ氏と同じ速度でキャンプ場の南の広場から堰堤を経由し椿林道を歩き林道終点を超えてちょうべえ氏と同じ樹林帯に入り込み歩き回ったのであれば(そしてこれらの過程でちょうべえ氏と同じ道草的な行為や初めて来た場所でトライアンドエラーを---例えば友達を探すためにしばらく立ち止まって見渡したり、どちらの方向に行くべきかと逡巡したり、場合によっては途方に暮れて立ち止まったり、岩や斜面に阻まれてプチ引き返しなどの行為を繰り返したと仮定すれば)、美咲ちゃんがちょうべえ氏が動画「2-63」で辿り着いた沢沿いのポイント周辺に辿り着くのは「18時1分」となり、これは当時の道志村の日没時間「17時45分頃」を15分ほどもオーバーした時間であり、
要するにこれでは仮に美咲ちゃんが本当にキャンプ場から「足跡」方面に向かったのだとしても「日のあるうちに西山の急斜面を登りきる」どころか、
逆に、西山の斜面に登り口を見つけてそこに足を踏み入れる前に日が暮れ一寸先も見えない闇の中で一歩も動けなくなりタイムアップとなる可能性さえ十分にある
とも考えられてくるわけです。
 ちなみにやおやのちょうべえ氏自身はハエにまとわりつかれながら西山斜面の登っていけそうな登り口・ルートを探し回るも結局見つけることができず、これ以上探すのは時間的に厳しいということで断念して、もと来た椿林道の終点まで引き返しています。成人男性のちょうべえ氏が、です。
また、昨日(7月23日)アップされたユーチューバー「プリパルライダーズ 娘とタンデム」氏の新作動画によれば、氏が例の「足跡」発見現場付近から地形図や見た目を頼りに比較的緩やかと見える坂を登っていこうとしたところ、やがて斜度が40度程度となったときに誤って腐った木に手を伸ばしてしまい、掴んだその木は根元から折れてあえなく3mほど滑落、下の柔らかい腐葉土のおかげで軽傷で済むも、カメラやSDカードはすべてお釈迦にしてしまったとのことです。これなども、「美咲ちゃんが迷わずスイスイ登れるような空想上の斜面」ではない、現場の現実を物語る証言ではないかと思います。)
なので、美咲ちゃんが『足跡』あたりから上の尾根道まで登り切るということは「急傾斜ゆえに難しい」ということのほかに、
登り始める前に、あるいは登り始めてほどなく日没となりタイムアップとなる可能性がある(時間的にも厳しい)
という意味でも、あの「足跡」あたりから上の尾根道まで登り切ったという見方は現実味に欠けるのではないかという風に思うわけです。
ちなみに今回物欲氏が登って見せてくれたルート(というか道もなき急斜面ですが)は、かつてユーチューバー「日本一周アルグ」氏
笑劇の告白・・・子供の靴跡ルート説をバッサリと切る
という動画の中で解説しておられた「Bルート」に近いものかと思います。
アルグ氏はこの「Bルート」については
行けるかどうか(登れるかどうか)は別として、ただ上を目指して登っていけば(尾根にある)登山道に合流するルート
であるとされ、もう一つの「Aルート」については
ある程度の高度を稼いでから水平移動で(尾根の)登山道に合流するルート。かなりの技術を要するのでこのルートを通った可能性は低いと考える
とされています。
(詳細はアルグ氏の該当動画を見ていただければと。ちなみに、美咲ちゃんが仮にこの「Aルート」をとり超奇跡的にも上の尾根道に合流できたとしても、そこから涸れ沢(およびその左右の尾根)の滑落が云々されているような現場周辺にたどり着くにはさらに樹林に覆われた尾根道を600~800mほど北に向かって歩いていく必要があり、椿林道終点から岩ゴロゴロの椿沢の渡河、登れるルートの登り口を見つけて西山急斜面へのアタック、そして問題の涸れ沢周辺への到着ここまでをすべて明かりのあるうちに7歳の小さな体と判断力でやり遂げたとするのは、ほぼ「荒唐無稽」と言い切ってもいいのではないかという気がします。)
その上でアルグ氏は、
いわゆる『子供の靴跡ルート』を推す人々というのは、地形図を読めないか、山登りをしたことがない人だろう。『女児がパニックになったから登れたのだ』という人がいるが、そんな意見を聞いて噴き出してしまった
と言っておられましたが、
噴き出した云々はアレとしても、傾斜のきつさ、足場の悪さ、現場に関する知識のなさ、登山知識もおそらくなし、害虫(蚊やハエ、アブ、ヒル)の多さ、美咲ちゃん自身の装備の悪さ(水なし、食料なし、GPSなし、地図や地形図なし、時計なし、懐中電灯なし、現地の予備知識なし、登山靴なし、蚊やヒル避けのスプレーなし、害虫への耐性もおそらくなし、スペックは身長125cmの7歳女児)、日没までの時間的な制約、本人の当初の目的(沢遊び組との合流)などを考えれば、
いずれのルートの場合であれ、美咲ちゃんが迷いもせずそれらのルートに乗り、短い脚を精一杯伸ばして適切な岩に足を掛け、短い腕を精一杯伸ばして小さな手で適切な木の枝や根を掴み、害虫攻撃にもへたれず、靴も靴下も服も無事なまま上の尾根道まで登り切り、
あまつさえ尾根道を北にとり数百メートルさらに移動して涸れ沢(あるいはその東西の尾根)まで到達できたとは到底思えず(西山斜面に登り口を見つける前か、登り口を見つけて足を踏み入れ登り始めてすぐに日没か滑落かヒルによる攻撃でジ・エンドかと)、
7歳女子には無理
というアルグ氏(や地元の猟師さん)の見方自体には同意せざるを得ないのかなという風に思うわけです。
以上のようなことに加えて、そもそも美咲ちゃんがあの西山の斜面を登った登らないの話というのは、その大前提として
「美咲ちゃんは道迷いの末にあの椿林道終点の先の樹林帯に入り込んでいた」
ということが設定されているのであり、
その設定の最大の根拠は例の「足跡」だったはずであり、
しかしながらその「足跡」の発見者自身が2019年9月、行方不明直後の最も記憶が鮮明だったと思われる最初期に
「足跡の長さは17cm程度
と具体的な数字を挙げて明言しているのであり、
そのサイズは「20cmのアキレス瞬足(足跡の長さ=アウトソール長=23cmほど)」を履いていた美咲ちゃんの足跡のサイズとはあまりにもかけ離れており、
発見された「足跡」がそのサイズ(17cm程度)である以上、それは2歳半~3歳ちょうど」くらいの幼児の靴跡か(アルグ氏が言うように)動物のそれだということになり(私自身は、犯人による稚拙な偽装工作という線も捨ててはいないのですが)、
「美咲ちゃんがあの現場にいた」ことの最大の根拠とされた「足跡」そのものの信ぴょう性が崩れている以上、
いわゆる「靴跡ルート」というものについての他の方々の考えはともかくとして、自分自身の中ではそれはすでに終わった話としてもいいのかなと思うわけです。
(というか自分にとっては「足跡」云々についてはその概要を知った当初から胡散臭いものと思い、人々のコメントもろくに追いかけることをせず、「17cm」云々のことさえ最近初めて知ったほどに個人的関心の薄いテーマだったので、「終わった話」というよりは「最初から始まることすらなかった話」というのが正確なところではあるのですが。)