第1話
実家からある理由で追い出されて、宇都宮の某M歯科医院に勤務していたある日。
M院長「佳子さん(仮名という歯科看護師が面接希望で来るんだけど、先生のご実家で働いてた人だよw」
履歴書の写真を見る。まさか…佳子さん?絶句した。
オカメ納豆だ。屈辱だった。辛かった。2年前のあの事件だ。
佳子さんは最初めっちゃ優しかった。だがヒップホップにどハマりする僕とアニメのアイドルに恋する佳子さん。会話は続かない。
「おはようございます」をシカトされる朝が何日か続きついに僕のイライラは爆発した。
「オカメ納豆が調子乗んな」
泣き出す佳子さん。当然だろう。
「佳子さんに土下座して謝んなさい。許して貰えなかったらあんたクビにするから」母は鬼のような形相でこう言った。
僕は速攻で土下座した。涙でぐちょぐちょになった顔をスタッフ用トイレ前の床に擦り(こすり)付けた。「佳子さんごめんなさい。本心じゃなかったんだ。オカメ納豆って言っちゃって本当ごめんなさい。」
名演技でなんとかクビを回避した僕はそれから地獄の日々を過ごすことになった。約3ヶ月後あまりの居心地の悪さに耐えきれない僕は退職を決意したのだった。
「先生知ってるでしょ?どんなひと?」M院長はニヤニヤしながら佳子さんの履歴書を封筒に戻した。
なぜ?なぜ彼女が面接に?僕が実家の医院勤務を辞めてからまだ1年も経ってなかった。なんかあったはずだ。
「佳子さんがM歯科医院に面接に来る。今昼休み。なんかあったの?」
第二話
小山駅東口通路の長い階段を駆け上がる。土曜の夜だぜ、ガッツリ踊るぜ?
「ガーガーガー!ガッチャン!ドドーン!」
スケーターだ!心臓はバクバクだ。2人いる。初めて見る奴らだ。キャップのノッポとゴツいTatoo。
同年代の僕らはすぐに打ち解け話し込んだ。
大麻の有効性についてだ。
「ゴミみたいな大麻アホみたいな金額で買ってる。それでも明日もちゃんと買えるのか不安」
僕の言葉を聞いたノッポは自信たっぷりに言った。
「もう心配しなくて良いよ。」