今日は、大好きな人の、生まれた日だ
その人はもう、歳をとらないのだけど
幼い頃、私はよく、夜ベッドに入ると、唐突に未来への漠然とした恐怖に襲われ『お母さんもいつか、しわしわのおばあちゃんになっちゃうの?』と泣いて、その人を困らせた
自分が歳をとることより、怖かった。永遠に、このままでいてほしかった
しかし同時に、私には、その人がおばあさんになる姿が、どうしても想像できなかった
その人は、少女のようだった
なぜなのか、わからなかった
そしたら、本当に、彼女がおばあさんになることはなかった。きれいなまま、その人の時は止まり、彼女は永遠になった
あの人がいなくなった後の世界は進んだ。
私も、一度だめになって、ああ、このまま終わるんだなあ、とあの時は、本気で思ったけど、外の世界は思ったより、空気が浅くなくて、段々と息ができるようになっていった
あれから長い時間が経ち、今では、あの人を想って泣くこと、あの人のことを考える時間、あの人が夢に出てくること、少しづつ、少なくなってきて、あんなに苦しかったのに、いなくても、笑えてしまっている自分が少し怖いし、ごめんねって思うけれど、今でも、会いたいし、永遠に、一番大好きな人だと思う
昔は、誕生日のお祝いの度に、『もう嬉しくないわ』って、はにかみながら言ってたけど、もう、大丈夫だね
きっと今日、父はケーキを買って、帰ってくるだろう。
毎年、3つ買ってくるんだ。結局私が、2つ食べるのだけど
お誕生日、おめでとう