大嵐
いつも穏やかなW島に
大規模な嵐が起きた。
木は薙ぎ倒され、
電線を直撃し、
周りの地域に電力が普及されなくなり、
住民は真っ暗な中で
数日過ごすこととなった。
Madelynが暮らす地域も例外ではなく、
生活が困難な状態になった。
電気がなければ
スマホも充電できず、
生活の必需品である食べ物を入れる冷蔵庫も
使えない。
食べ物を温めることもできず、
湯船に浸かることもできない。
季節は夏の終わり
凍えるような寒さもなく
エアコンがないと過ごせないほど
蒸し暑い日でもなかったのが、
せめてもの救いだった。
そんな時にMadelynの情報源として
連絡を取り合っていたのが、
あの集まりだった。
同じW島、同じ地域に住む人同士
お互いに情報交換をし合い
励ましあった。
時には協力もし、
助け合いながら。
このW島出身ではないMadelynにとって
ここが地元の彼女たちは
とても心強かった。
貴重なスマホの充電を
彼女たちとの情報交換に使った。
夜は蝋燭の灯りで読書をし、
昼間は隣人のMadison王妃のところに出向き
お互いに励ましあった。
そんな不便な日々は
2〜3日続いた。

