四半世紀前、福岡ユニバシアードというスポーツ大会があった。前年の広島アジア大会では記者証のIDもらって首にさげてモンゴルからの水泳選手団を取材してたのだが、阪神淡路大震災もあった年でなんだかだとしてるウチに福岡ユニバシアードでは、ボランティア登録の希望だけ出しておいた。


俺のモンゴル語は俺の英語に比べたらかなり劣るが、組織委が最初に俺に提示したのは選手村の門衛役だった。

ココで、組織委本部と選手村運営の間に冷戦が起きてるってのが分かった。両方とも福岡市役所からの出向組だろうに、ケチくさい派閥争いだな。

で、組織委本部の意向を無視して選手村運営はモンゴル選手団と俺を引き合わせた。ボランティアとしてのポジションの変更でなく、選手団の現地採用スタッフ副役員とするとモンゴル選手団は決めて、副役員のIDが発行された。
 しかし、問題な事にモンゴル選手団付きの通訳のプロスタッフとボランティア通訳の中にはモンゴル語を一言も話せない人間が二人いた。インターグループと言う今回のパソナみたいな立場の派遣会社が雇ったプロスタッフ扱いの女子大生と、広島大学の事務職員で英語も話せないたんなるモンゴルファンと言う足手まとい。
 プロスタッフとしてはあるまじき事だが、女子大生は俺が提示した副役員のIDをむしりとって床に叩きつけて『そんなの関係ない出てけ』とわめきちらしヒステリーとパニックを起こしていた。モンゴル選手側のマネージャー及び随行記者とは別の場所で打ち合わせして手伝う事にした。

広島大学の語学出来ないバカもそこでなんだかだと足を引っ張り、組織委本部側が私の肩を持ち選手村運営が広島大学職員側につき冷戦の代理戦争に巻き込まれたのだが、長くなるはしょる。

選手村交流広場まではそんな状況の私でも副役員IDでフリーパスだったのだ。

今、東京オリンピックでは、観客誘導のポジション割り当てられていて、結局、ポジション失ったボランティアがどんどんユニフォームをメルカリで売っているそうだ。やる気のあるテロリストならIDも偽造出来るだろう。

選手村の交流広場が飲酒禁止になるらしいが、それなりに外人にナンパされたいボランティアや日本人をナンパしたいアスリートなどなど有象無象は夜ごと交流広場に出るだろう。ユニフォーム買ってID偽造したテロリストが交流広場で自爆テロぐらいやっても、不思議はないな。