公立トップ校の倍率が想定より高いと言って、ランちゃんが慄いていた。
「どうしよー。可能性下がるかもーアセアセ

アホくさ。

もう願書は提出してしまった。
賽は投げられたのだ。
腹をくくれ。

「周りに何人いようとやることは同じ。今すべきだと思うことをすればいい。大丈夫、あなたはできる」
と話したら、ランちゃんは大きくうなずいて自室へ入っていった。



夕食の時、マキちゃんがしたり顔で、
「前もって勉強しておくとテストで緊張しないよ」
と話し出した。
「試験受けたことないじゃん」
「あるよ。学力テストでね、5年生のときは緊張して算数が解けなかったけど、6年生は前の日に勉強したから…」
「それとはレベルが違います!ゲラゲラ

まあまあと言って、それぞれの経験を発表することにした。

マキちゃんは、
「勉強したから大丈夫と思ったら緊張しなかった」
ランちゃんは、
「落ち着けと言い聞かせたらできる」
わたしは、
「十分に勉強してあれば緊張してても体は動く」

結局、本番までの準備が大切なんだねと納得して終わった。


たぶんランちゃんの魔法の言葉は、
「あなたはできる」

マキちゃんとわたしはこれを言われると、できなくて相手が失望することを極度に恐れて気負いすぎる。
でも自己肯定感の強いランちゃん(と主人)には、お墨付きをもらったように強気になれる言葉なのだ。
そもそも自分自身が「正直できる気がしない」と思っているか、「じつはできると思ってる」かの違いなんだろうね 真顔

でも怖いから本番直前には言えないなー。
こういう日に使うのが無難だ。