真っ白で瞳が黒いウサギさんがいい
当時13歳の誕生日を迎える娘の希望で、その子はやってきました
本当に全身真っ白なので、みるくという名前を付けました。
大人の片手に乗るほどの小さな子ウサギだったみるくは、すくすくと大きくなりました。
ちょっとジャンボになりすぎたかな?と思うくらい大きくなりましたが、
純白のもふもふな毛並みと黒(青)い瞳にパッチリまつ毛の可愛さは、ウサギ年齢のマダム世代になっても健在でした。
自分でも可愛いと思っているらしく、 アニマルコミュニケーターさんが「みるくちゃん、可愛いね
」と声をかけると、
「当然でしょ!」と言い切る
図々しさ自信家でした
一人っ子である娘の情操教育に…という私の思いを、みるくはちゃんと知っていて、子供だった娘の良き友として、
思春期に差し掛かった頃には葛藤を受け止める相棒として、
みるくはいつもそこに居てくれました。
娘が大きくなって、大学へ通うことになり、寮生活をするために家を離れたときには
「面倒見てやったのに!」と、置いて行かれることに抗議し、
それでもやがて状況を理解して、飼い主の不在にブツブツと文句を言いながらも、
来る日も来る日も娘の帰りを待っていました。
あと半年で…来年の春には寮生活を終えて家に戻ってくる娘を、
みるくは変わらず待っていてくれる…家族全員がそう思っていました。
ウサギの平均寿命は7~8年と聞いています。
近頃では10歳越えのウサギさんも多いという情報もあります。
だから、あと半年どころか、
娘が成人するまで、そして、本当に家を巣立つまで、
みるくはずっとそこに居てくれる…そう信じていました。
でも、6歳を過ぎたみるくは既にシニアの肉体でした。
近頃は急に老け込んだ…と、友人のACさんは思っていたそうです。
だけど、相変わらず見た目は可愛くて、食欲も旺盛で、
頭を撫でなさい!と威張っていて、ドスドスと音を立てながら跳ねていて…
そんないつもと変わりないみるくだったのに…
ある日、みるくはご飯を食べず、トイレにも行かなくなりました。
毛がバサバサと抜けて、手足に力が入らなくなって、
脱水状態で獣医さんに診てもらって、ぶっ太い注射で経皮点滴を受け、
内服薬を3日分処方されて、きっとそれで治ると思って帰ってきたけれど、その日の夜遅く、みるくは逝ってしまいました。
みるくが会いたかった娘は居ませんでした。
みるく…まだ早いよ…
みるくの魂が身体から離れても、その亡骸はやっぱりフワフワで真っ白で、可愛いウサギさんでした。
純白の毛並みに劣らない輝く白さの薄絹で、その身体を覆ってあげました。
私が初めて作った角真綿で。その上に、真綿で作った小花をたくさん散らせて飾ってあげました。
女の子だからね。最後まで可愛く…
翌日、夫と二人で小さな棺を送り出しました。
しばらくして空を見上げると、ウサギさんのような形をした雲がありました。
みるくがサヨナラ…と挨拶してくれたのかな?
天の光を降ろす虫(蚕)の命(繭)を頂き、人の手で再生した物質が真綿です。
みるくの身体そのものは、覆った真綿と一緒に灰になってしまうけれど、
逝くときに苦しんだ記憶を繭のエネルギーが癒してくれるでしょう
サヨナラ、みるく。
娘と一緒に生きてくれてありがとう。
家族に癒しを与え続けてくれてありがとう。
みるくちゃんの供養に…と、お花を頂きました。
ありがとうございました。