今日、我が家の井戸水の水路が絶たれ、
県南水道に切り替えられました
井戸とその水を母屋に引いていた水道管の近くに
新しい建物を建てることになり、代々この家の人々の命を支えてきた
大切な井戸を、泣く泣く潰すことになったからです
主人はこの家の井戸水で産湯を使い、ずっとこの水に命を支えられて生きてきました。
娘もこの家の水で育ちました
私がこの家に嫁いで来たとき、飲料水にしている井戸水がとても美味しいことに驚きました
当然ですが、カルキ臭さがないからです。
家や家族・親族に馴染むには、かなりの時間を要しましたが、この水の味には直ぐに馴染みました
たまに実家に帰ると、育った家の水なのに、出されたお茶の味に水道水の匂いが残っているのを感じ
婚家の井戸水が如美味しいことを改めて感じました。
毎日、近所のスーパーに水をもらいに行かなくても、蛇口を捻ればそのままで美味しい水が出て、お茶を入れたり料理が出来ることは、とてもありがたいことです。
一度だけ、子供が生まれるときに、「井戸水の水質検査をしなくていいのか!?」と思ったことがありましたが、
ここの井戸水で日々元気にくらしている自分や、何より、生まれてからずっとこの水で生活してきた主人が元気でいることが、ここの井戸水の安全を物語っているのでは?とも思い、水質検査はやめました。
それから20年余り、私たち家族の命を支えてくれた井戸水が、とうとう今日、止められました。
新しくつながれた水道水も、もちろんありがたい水ですが、やっぱり味がねぇ・・・
覚悟はしていたけれど、工事直後の今は、かなり匂いに苦戦しています。
今夜からご飯とお茶が不味くなるかも
私の料理の腕が落ちたわけではない!と言いたいところだけれど、これまで井戸水の美味しさに助けられていたことは確かです。
新しいものを手に入れるために、大切なものを一つ失いました。
夫婦で話し合って決断したことなので後悔はしませんが、井戸水の流れを止めないように設計して欲しいという願いは叶いませんでした。
とても残念で、井戸に申し訳ない気持ちもあります。
「悲しまないで・・・」と井戸自身に言われているので、これから行われる井戸の埋め戻しの工事も、静かに見守ろうと思います。
井戸が語った物語は、また今度・・・。
長年の、そして今の家族とその先祖の分の感謝を込めて、井戸の最後のときを看取ります