今流行りのヒーローの決めポーズをしながら、小さな子供がお母さんに聞きます。
「僕、カッコイイ?」
お母さんは微笑んで答えます。
「うん!カッコイイね」
お母さんの賞賛を得て、満足気に走り出したその子は、また振り返ってお母さんに聞きます。
「僕、カッコイイ?」
お母さんは答えます。
「カッコいいよ」
嬉しそうにニッコリ笑ってまた遊びだした子供は、またお母さんに聞きます。
「僕、カッコイイ?」
お母さんは、
「…うん、かっこいい」
と言いながら、「何回同じことを答えなくちゃいけないのかしら?」と考えます。
するとまた子供が、
「ママ!僕、カッコイイよね?!」
「はいはい…カッコイイ!カッコイイよ」
・・・こんなやり取りを、よく公園などで見かけます。
子供って、何でこんなに何回もしつこく同じことを聞くんだろう?ちょっと面倒…って思うことがありませんか?
でもね、
賞賛を得ることで「僕はカッコイイ!」という自分の思考に自信を持ち、思考したことを言葉にしたことで、「カッコイイ自分」を現実化する力になるとしたら、「うん、カッコイイよ」と、何度でも答えてあげることは、その子にとってかけがえのない贈り物になるとは思いませんか?
将来、戦隊もののヒーローになるわけではないかもしれないけれど、「カッコイイ僕」であることを賞賛された子供は、きっとカッコイイ大人になることを実現するでしょう。どういう形であれ。
カッコイイ俳優になるかもしれないし、スポーツ選手になって活躍するかもしれないし、研究者になってノーベル賞をとるかもしれないし、家族思いのお父さんになるかもしれない…どれも「カッコイイ」に繋がることには違いないでしょう?
そう思ったら、ちょっぴりしつこい子供の問いかけにも、何度でも根気よく、心から賞賛を返してあげられるのでは?
12月、「どんなプレゼントで喜ばせようか?」と、楽しみながら悩む季節ですが、小さいけれども力強い言葉のプレゼントを、日常の中で繰り返し惜しみなく贈ってあげてください。
何度も繰り返し聞くのは何故か?
・・・それは、言葉とは儚いものだから。
その瞬間、瞬間には力になり、あとからもジワジワと思い出す度に温かさを感じさせてくれる言葉であっても、次の瞬間には儚く消えていくような気がするのが、物質ではない言葉の儚さ。
だから、何度でも何度でも欲しくなってしまう。
何度でも何度でも欲しいだけ貰えたら、至福のときを味わえて、満足をたくさん経験したら、『自分の言葉(思考)は実現する』という確信を得ることができるでしょう。
『自分の言葉・思考は実現する』…そう信じることができたら、生きていく上でこれほどの強みはないでしょう。
このことは、子供にだけ有効なのではありません。
大人だって同じ。
ただ、大人になると「何度も同じことを聞いて賞賛を得ようなんて…恥」という概念があったりするから、大抵の人は(他人には)聞けませんよね。
でも、恋人同士、夫婦とかの関係だったら、よくあることではないですか?
「ねぇ…私のこと…好き?」「愛してる?…どのくらい?」って。「面倒臭っ!」って、何処からか聞こえてきそうだけれど
新婚じゃなくても、ラブラブの時期を多少過ぎていたとしても、もしも確かに好き・愛しているのなら、言ってあげてください。何度でも「好きだよ。」「愛しているよ」って。(減るものじゃないし)
出来るだけ心から言ってあげてください…是非。