レイジーのスージーこと高崎晃とデイビーこと樋口宗孝(当初はファニーこと田中宏幸も合流するよていだったものの離脱)を中心に、元アースシェイカーの二井原実と高崎の幼馴染の山下昌良を加えて結成されたラウドネスの記念すべきデビューアルバム。

 

楽曲的にも日本のヘヴィ・メタルの夜明けを告げる伝説のアーミングから始まる"LOUDNESS"やクラウド・ナインのカヴァーもカッコいいファストナンバー"ROCK SHOCK"が収録されていますが、一発録りにこだわり、当時のレコーディング環境やオーヴァーダヴも行われていないこともあり音質は現在の水準で考えると満足のいくものとは言えません。

山下師匠はWeRockvol.81の40周年記念特集で本作について「聴いてほしくない」「ラインの音のみだったから粗も目立つ」とまで語るほどで、自伝『重音』においてガチガチでレコーディングに臨み、技量も足りていなかったと語っています。

 
2016年に発売された"SAMSARA FLIGHT~輪廻飛翔~"で本作を含む初期作品からリレコーディングが行われた理由も、当時のプレイや音が満足できるものではなかったことであり、アレンジはこの時点で完成されており今でも色あせることはない、そのことを物語っているようでした。

本作の聴き方としては、ラウドネスの歴史は日本のハード&ヘヴィ・ロックの進化の歴史でもあるということを感じるため、そしてタッカンとひぐっつぁんの20代前半とは思えない演奏の完成度に驚くために聴くべきアルバムと言ったところでしょうか?

少なくともラウドネス入門に聴くのであれば、挙げるべきアルバムは他にあります。