1999年、忌野清志郎 Little Screaming Revue名義でインディーズレーベルから

発売されたミニアルバム。

 

2曲目以外は取り立てて大騒ぎすることのない清志郎らしいロックです。

問題は、2曲目がロックの根幹とも言うべき事象に触れていることなのです。

 

NHK Eテレのアニメ『オトナの一休さん』の第六則「風流な坊さんベスト3」。

この話で一休和尚(声・板尾創路)は「風流はロックだ」と宣言し、

媚びない、ブレない生き方をした坊さんを風流だと絶賛しています。

 

一休流の風流に目覚めた蜷川新右衛門が目の上をピンクに塗るなど、

脚色も相変わらずロックです。

 

現代の日本でいうと、ちょうど本作が発売された頃のラウドネス、

及び唯一のオリジナルメンバーであった高崎晃こそ

清志郎と共に風流と呼ばれるにふさわしい音楽を発表していました。

 

ブッダ・ロック三部作は過去のファンにも媚びない、オリジナリティを追及したロックでした。

その発想はまさに自由そのものでしたが、

その反面当時のリスナーからは理解されませんでした。

 

閑話休題、本作の2曲目が物議を醸した話をしましょう。

 

本作がレコーディングされたのは俗に言う国旗国歌法案が審議されていた頃。

清志郎は問題の『君が代』をパンクアレンジをしてカヴァーしたのです。

 

そのことが問題となり、所属レーベルから発売を拒否され、

インディーズでの発売となったのです。

 

清志郎の真意はわかりませんが、清志郎が国歌をパンクアレンジして録音したら

騒動が起きること自体無縄自縛に陥っているとしか思えません。

批判を恐れずに言えば、タブーを恐れない清志郎はさしずめ現代の一休宗純でしょう。

 

 

 

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昭和の匂い漂う部屋にいる清志郎。でもこのアルバムは1999年発売。