ディープ・パープルを脱退したリッチー・ブラックモアが
ELFを乗っ取って始めたのがレインボーの始まりとされている。

『銀嶺の覇者』という、一曲目のタイトルを直訳した邦題を冠せられた本作は、
リッチーの趣味を全開にしたアルバムだろう。

その音楽性は、"Catch The Rainbow"や"Sixteenth Century Greensleeves"に
代表される、パープルに比べれば中世的な様式美を追求している。
だがそれ以上にこのアルバムはラウドネスが「The Voice of Metal」
と表現したロニー・ジェイムズ・ディオの歌唱が光るのだ。

そのロニーの歌唱を堪能できる"The Temple Of The King"は
隠れた名曲といったところか。

完全にロックンロールな"If you don't like Rock'n Roll"は
アルバムの世界観から浮いている気もするが細かいことは気にしない。

ラストを飾る"Still I'm Sad"はヤードバーズのカヴァー。
本作ではなぜかインストで収録されいるが、ライヴやドゥギー・ホワイト時代のアルバムにヴォーカル入りになっている

ロニー以外の元エルフのメンバーの技術が低いとは言わない
(そんなにダメなメンバーなら最初からリッチーは切り捨てているだろう)が、
リッチーが求めていたのはロニーだけだったことはその後の首切りからも明らかである。



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