ポップへと路線変更を図っていたレインボーからロニー・ジェイムス・ディオが脱退する。
(後年のインタビューでロニーは「ラヴソングは書きたくなかった」と語っている)

リッチーとコージーに加え、新たなシンガーは超人的な声量を誇るグラハム・ボネット。キーボードにコロシアムIIなどで活躍したドン・エイリー、ベースに元ディープ・パープルのロジャー・グローバー(プロデューサーも兼任)という最強の布陣で"Down To Earth"は制作された。

1曲目からストレートなラヴソング"All Night Long"である。
2曲目はそれまでの様式美路線を引き継いだ"Eyes Of The World"、アメリカンなニュアンスのハードロック"No Time To Lose"、どことなくトラッドな印象の"Makin' Love"、某貴族が大嫌いな"Since You'll Be Gone"、ANTHEMのオーディションで課題曲に使われた"Loves No Friend"、怪しげなギターが印象的な"Danger Zone"、ラストを飾るのは疾走曲の"Lost In Hollywood"。
楽曲自体はハイクオリティだが、ポップ路線に向かっている事は明らかである。

アメリカ市場を狙ったコンパクトな曲が多くなり、歌詞もロニーの黒魔術やドラゴンなどのいかにもなモチーフから、ラヴソングになった。

レインボーは時代と共に大きく変わったと言えるだろう。
しかし、この変化に耐えられなくなったコージーが脱退。後を追うようにニューアルバムのレコーディング中にグラハムも脱退してしまう(グラハムは脱退時に"I Surrender"一曲しか曲がなかったとのちに語っている。それが事実なら完全に曲作りの段階での脱退である)。

柴田直人曰く「なんで横山やすしがレインボーで歌ってるんだ?」



Down to Earth/Rainbow

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