自分は何色?
私はどんな色も引き立たせるオフホワイトみたいな優しい色だったらいいな…
うちのお店にはフランス製の雑貨を扱ってるんだけど、やっぱりすごく高いし中々売れないのが現状
2年前のこと。
60代くらいの女性がShop内を覗いてた。
服は60代では勇気がいるようなモノばかり。
悲しそうな顔をしているしどうしたんだろう?
気になった私はしばらくしてから声をかけた
するとSさんというその方は、ご主人が具合いが悪く、元気づけるためにも部屋を明るくしたいのに良い雑貨が見つからないんですと今にも泣き出しそうな声で言ってきた。
私は。
初めて会った私に、話してくれたのがとても嬉しく同時にとても重いことだと感じた

家具も嫌な思い出が多く捨ててしまったと、結構気持ちの病み具合が進んでる…
自分の休憩も忘れてSさんとその家族のために力になりたいと一生懸命話を聞いた

結局真っ白なフランス製の家具を一式私から買ってくれたんだ。
店で一番高い家具を。
でも
気分はすっきりしなかった
お客さんが一度も笑ってくれなかったから

それからしばらくして私は一度、今のブランドを辞め違う所にうつった。でもやっぱりこうして1人1人とゆっくり話して売っていくこの環境が自分にはあってると思ってた時、声をかけてもらいありがたいことに復帰できた去年
そんな去年のクリスマス間近にSさんはまた来てくれたの。
今度は私を見つけて声をかけてくれたんだ。
旦那様が亡くなったと。
私は顔も知らない、どこに住んでるかも知らない。
だけど…
胸が痛かった

そして母の日の昨日
すごくお洒落をしてSさんはやってきた

子供もいらっしゃらず、1人だから自分へのプレゼントを買いにきたと苦笑いをしていた
でもうちにある品物はおそらくSさんの年代では着ないだろうし、私はうそを言ってまで無理に勧めることはしない
どうしようかな
と、その時ゴブラン織りの大きめなポーチを思い出した
ゴブラン織りってわかる?1つ1つ手作業で織りをしているんだけど、沢山の色を使い表は本物の絵のように見える。
フランスで有名な織物

厚かましいようだけど私はちょっとした話を始めた
表はとても美しくてキラキラしていて、でも見えない裏側は沢山の糸を使って何層にも重なってる。
人間と同じだなと思って…
嬉しかった糸や
寂しかった糸が
沢山、沢山織り重なって。糸がいっぱいある方がより繊細で綺麗なものに仕上がるんです
………
なんて私も興味持つまで知らなかったんですよ(笑)
………あはは
…あ…
Sさんは泣いてしまった
最後のオチまでしゃべったからだろうか

いや、受けとめ方が私と違ったかもしれない

いや、生意気言ってしまったかな

正直焦った
するとSさんは横にいた先輩に、店長を呼んで下さいと言いだした
まずい。
やらかしてしまった

青ざめる私

そんな私を指さしてSさんが店長に言った。
『このポーチはなくてもいいの、わかる?同じようなモノ沢山あるし必需品じゃないでしょ?
でも、この子からこれを買わせてもらいたい
私はこの子がいるから電車に乗ってこの店にくるの』
フランス製だし、決して安い品物ではない。
それを買わせてもらいたいとまで言ってくれた

怒るんじゃなく
褒めてくれた…
嬉しくて最敬礼どころじゃなく頭を下げた
その後も続く今までの話に私は店長とお客様の会話がくすぐったくて、お包みしてきますと言い残しさっさと消えちゃった私

あんな褒めてもらえて、私には何ができるかな。
考えた結果
自分用の品物だけど、キレイに箱につめてラッピングをすることにしたんだ

中に私からのちょっとした手紙をいれて

。
大きなリボンを巻いた
もちろん
母の日用につけている
カーネーションも一緒に

売場にもどりお客様に品物を渡すとSさんはこう言った
あなたに出会えたからまた今日から笑えそうだわ
差し出したカーネーションを見てSさんが
笑った
笑ってくれた!
2年の歳月が流れ
私も色んなコトがあったけど、出会えてよかったと言ってもらえるコトがこんなに嬉しいなんて

人との出会いって無駄なコトなんてないんだね
今日も誰かの糸になれたらいいな

今頃やっと
本気で人を愛したいなと思った(*/ω\*)
いや、毎回本気だけど(苦笑)
そうじゃなくて…
手つないだり
ギュッてしてもらったり
そんな人間のぬくもりが
私は好き
そんな
暖かい色の糸に
会えますように……☆