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人を育てるびじゅつの魔法
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つぶTってなに?
⬜︎粘土造形が育てる力⬜︎
― 心・体・脳をつなぐ立体あそび ―
★ 五感を育てる(体性感覚の発達)
肌は「第3の脳」ともいわれ、触覚を中心とした体性感覚は、脳へ直接働きかける重要な感覚です。
体性感覚(皮膚感覚)とは
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触覚・圧覚
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温覚・冷覚
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痛覚・運動感覚
人は体性感覚を通して大脳で物事を認識しています。
この感覚の発達は、人間の成長において非常に重要であり、
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行動的
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具体的
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積極的
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操作的
といった発達を促します。
粘土遊びに集中することで、
視覚・聴覚・味覚・触覚・嗅覚といった五感全体も自然に磨かれていきます。
★ 粘土は年齢を問わない万能素材
粘土は、どの年齢の子どもでも
自分のイメージに合わせて自由に遊べる素材です。
「作る」「壊す」「また作る」という繰り返しの中で、次の力が育まれます。
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想像力(思い描く力)
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創造力(工夫して生み出す力)
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集中力・忍耐力
★ 立体造形が脳を育てる理由
立体造形は絵画と違い、両手を同時に使う活動です。
両手を使うことで、脳にバランスよく刺激が伝わり、発達を助けます。
粘土では
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上下
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左右
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前後
といった三次元の動きが生まれ、空間認知能力を育てます。
★ バランス感覚・量感覚を育てる
実生活では「4本足の方が安定」ですが、
粘土造形では4本足の方が難しいのが特徴です。
なぜなら、
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4本の足の長さを揃える
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重さや量のバランスを取る
といった「手で加減を測る感覚」が必要になるからです。
粘土で動物などを作る中で、
量感・塊感・バランス感覚といった感覚的スキルが磨かれていきます。
★ 空間把握能力を育てる
立体を作ることは、
目に見えている部分だけでなく、見えない裏側や向こう側を想像する力を育てます。
この力は、
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彫刻や空間演出などのアート分野
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物理・地学
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スポーツ
など、さまざまな分野で必要とされる力です。
◎ 粘土造形(立体)と平面制作の違い ◎
立体造形ならではの特徴
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ぐるっと回して、上下・左右・さまざまな角度から見られる
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作って壊して、何度でもやり直せる安心感
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重さ・重量への感覚が身につく
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両手の指先・手のひらを同時に使い、脳へ直接刺激を与える
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手指の発育を促す
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観察力・模倣力・立体的な表現力が育つ
※ 絵画でのデッサン力とは異なる「立体表現力」が養われます。
★ 自己効力感を育てる
粘土遊びには決まったゴールがありません。
そのため、手指の動かし方の自由度が高く、自信のない子でも取り組みやすい素材です。
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何度でもやり直せる
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失敗してもいい
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壊している途中で思いがけず良い形が生まれる
こうしたトライ・アンド・エラー(試行錯誤)を重ねることで、
粘り強さが育ち、
「自分はやればできる」という自己効力感につながっていきます。
★ 粘土は「退行できる素材」(発散)
水・砂・土は、子どもの心と体を解放し、
「本当の自分」を表に出しやすくするといわれています。
粘土はそれら自然素材からできた、
自由に形を変えられる素材です。
やわらかい粘土を触ることで、
忘れていた感情や記憶が無意識に呼び起こされ、
吐き出され、受け止められていきます。
その結果、
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リラックスできる
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制作に没頭できる
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会話がスムーズになる
といった効果が見られることもあります。
(運動会や発表会練習後などに特に効果的です)
◎ 強い退行が見られたとき ◎
例:
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ずっとこすり続ける
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作らずにこね続ける
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叩きつける・強くつぶすなど攻撃的な扱い
これは、嫌な記憶や感情が出てきているサインの場合があります。
その場合は、
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行為を止めさせず
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飽きるまで十分に行わせ
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行為そのものを認め、共感する
ことで安心感が生まれ、情緒の安定につながります。
◎ 粘土制作とコミュニケーション効果 ◎
柔らかい粘土に触れていると、心も自然と柔らかくなります。
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新しい環境で不安な子
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ストレスを抱えている子
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普段あまり話さない子
も、粘土に触れることでリラックスし、
会話・表情・遊びでのやりとりが増えることがあります。
粘土は緊張をほぐし、
コミュニケーションを促す素材です。
制作後にはぜひ、
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「粘土、楽しかった?」
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「どんなことしたの?」
と声をかけてあげてください。
**何を作ったかより、どう作ったか(過程)**を聞くことが大切です。
◎ 触れない子がいたら ◎
粘土に触れられない子もいます。
考えられる理由:
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感覚過敏
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匂いが苦手
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汚れるのが嫌
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経験がなく、触り方が分からない
特に4歳頃まではよく見られます。
無理強いせず、見守ることが大切です。
環境設定の工夫
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油粘土が苦手な子は多い
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可能であれば土粘土(陶芸用)が最適
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保管が難しい場合
→ ソフト樹脂粘土・紙粘土・石粉粘土なども有効
成長とともに、感覚は落ち着いてくることがほとんどです。
