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宮下まこと「こがねいで暮らす」

■「前」市議会議員/公明党
■脱炭素社会へ:市内街路灯(7千基)の一斉LED化
■子供応援:学校体育館にエアコン整備
■防災士:緊急地震速報の導入
■生活リズムアドバイザー:小金井さくら体操提案
■アーティスト応援:駅前ホール開設推進



実を結んだ公明の取り組み

2025/07/12 4面


 ロシアはウクライナへの侵略をやめず、パレスチナのイスラム抵抗運動組織ハマスとイスラエルとの武力紛争はし烈を極め、核兵器保有国は、ミサイルに搭載されるなどして、すぐにでも使用できる状態にある配備核弾頭の数を増やしている。世界の平和と安定が大きく揺らいでいる中、公明党は5月に「平和創出ビジョン」を発表。参院選の重点政策でも、同ビジョンに基づく取り組みを推進するとしている。特に、同ビジョンが最優先課題として掲げている▷北東アジアにおける安全保障対話・協力機構▷核廃絶▷人工知能(AI)――の三つのうち、核廃絶とAIについて、公明党の取り組みが実を結んだ、直近の具体的な事例を紹介しなから解説する。

【核廃絶】


■(核廃絶)被爆の実相継承に全力

 核兵器保有国は米国、ロシア、中国、英国、フランス、インド、パキスタンのほか、保有しているとみられるイスラエル、保有を一方的に宣言した北朝鮮の9カ国に上る。

 このうち、ロシアとイスラエルに加え、米国も一時、イランやハマスを支援するイエメンの反政府武装勢力フーシ派を空爆、インドとパキスタンも5月に軍事衝突に至るなど、保有国が武力紛争の当事国となる事態が相次いで生じており、いつ核兵器が使われてもおかしくない危険な現状にある。

 保有国に核兵器の使用を思いとどまらせ、その廃絶に向けた機運を高めていくためには、唯一の戦争被爆国である日本が被爆の実相を世界に伝えていく必要がある。

 公明党は平和創出ビジョンで▽広島や長崎の被爆した建造物(原爆遺構)、被爆者の証言、被爆時の映像などの記録の保存▽原爆遺構の世界遺産化――などに取り組むとしている。

■原爆ドームが特別史跡に指定へ

 注目したいのは、文化庁の文化審議会が先月20日、広島市の原爆ドーム(旧広島県産業奨励館)を、国が重要と認めた「史跡」の中でも特に学術上の価値が高い「特別史跡」に指定するよう、文部科学相に答申したことである。近く、答申通り告示され、特別史跡に指定される。明治以降の近代の史跡が特別史跡に指定されるのは初めてのことだ。

 人類史上初めて投下された原子爆弾の惨禍を伝える原爆ドームは、1915年に完成した半円形の屋根が特徴の洋館。爆心地からおよそ160メートル離れた場所に位置し、内部は全焼したものの、奇跡的に倒壊を免れた。公明党が政府に働き掛け、95年に史跡に指定、翌96年には世界遺産にも登録された。

 原爆ドームの特別史跡の指定については、公明党広島県本部が要望。2021年7月に斉藤鉄夫副代表(当時)や谷合正明参院幹事長(同)らが文部科学省を訪ねて、要望書を提出した際、萩生田光一文科相(同)が「特別史跡にふさわしいと思う」と述べ、指定に前向きな考えを示していた。

 一方、広島市は被爆80年の記念事業の一環として、原爆投下時の状況などをまとめたVR(仮想現実)映像を国内外の原爆展で見られるようにする取り組みを昨年度から行っている。

 専用のVRゴーグルを装着すると、原爆投下の瞬間や復興していく町並みなどの映像が目の前に映し出され、360度見渡すことができる。映像は約5分で、写真や被爆者の証言を基に再現された。日本語のほか、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、アラビア語にも対応しており、訪日外国人が被爆の実相を視覚的に疑似体験することができる。

 今年3月に米ニューヨークの国連本部で開かれた核兵器禁止条約第3回締約国会議に合わせて行われていたイベントでも、広島市のVRゴーグルが6台展示され、各国の外交官や国連職員らが活用していた。

 広島市は、核兵器廃絶に関するイベントなどを開催する国内の自治体や企業、学校などにもVRゴーグルを無償で貸し出している。

 同市議会公明党は、被爆の実相を伝える取り組みでVRなどのデジタル技術を活用するよう市に働き掛けていた。

 平和創出ビジョンは、被爆体験のVRの活用などDX(デジタルトランスフォーメーション)化を進めて、地方における「平和の取り組み」を支援する方針も掲げている。

【AIの軍事利用規制】


■他党に先駆けて政府に提言

 今、武力紛争が勃発している世界の各地で顕著になっているのがAIの軍事利用だ。公明党は他党に先駆け、AIの軍事利用の禁止や規制に向けた国際ルール作りをめざす交渉での合意形成を日本が促すよう政府に訴えてきた。

 AIの軍事利用には▽自律型致死兵器システム(LAWS)▽自律型兵器システム(AWS)▽AI意思決定支援システム(AI-DSS)――の三つがある。

 LAWSは、AIを組み込んだ兵器が自ら標的を選択して攻撃し、人間を殺傷するというもの。特に、人間が一切関与しない完全自律型の致死兵器システムについては、戦闘員と民間人を区別しない無差別攻撃などを禁じた国際人道法を守れない恐れがあるため、その禁止や規制に向けた国際ルール作りをめざす交渉が、特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の政府専門家会合(GGE)で、2017年から行われている。

 AWSは、LAWSのような人間を直接殺傷する兵器だけでなく、戦車や軍事施設などを探し出して攻撃する対物兵器も含む。対物兵器としてのAWSは既に多用されており、代表的なものにAIを搭載した自爆ドローンがある。ロシア軍はAWSをウクライナの電力施設など民間の建造物を破壊する目的で使っており、国際人道法に背いた使用事例が目立つ。

 AI-DSSは標的の位置情報を提示したり、効果的な作戦を提案したりするシステムだ。ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃で、イスラエル軍が使用しているとみられている。ただ、AI-DSSがハマスとは無関係なガザ地区の住民まで標的に含め、その位置情報を提示していることが、民間人の死傷者の増加につながっているのではないかとの懸念がある。

 このような現状を受け、公明党は平和創出ビジョンで▽LAWSをつくらず、使用しない立場の堅持▽GGEでの交渉を前に進め、LAWS開発を禁止する技術的要件などの合意形成の促進▽AWSやAI-DSSについて、国際人道法に則った国際ルールの構築に向けた協議の推進――などを日本政府に要請している。

 そもそも、公明党は19年2月に「LAWS開発規制に関する検討プロジェクトチーム(PT)」を発足。同PTでの議論を踏まえ、GGEの交渉で、LAWSにも国際人道法が適用され、人間の指揮統制の下に置かれることなどが合意されるように求める提言を政府にいち早く申し入れた。

 また、公明党の生成系AI利活用検討委員会が昨年6月に政府に申し入れた「人間中心のAI社会実現に向けた提言」では、LAWSに関するGGEでの交渉を前進させるとともに、AWSとAI-DSSの国際的な規制についても具体的な検討を進めるべきであると訴えた。

 公明党の提言を踏まえ、政府は

▽人間の関与が及ばない完全自律型の致死兵器システムを開発する意図はない

▽国際人道法はLAWSを含む全ての兵器システムに適用されるべき

――などの日本の立場を表明。この立場を国連にも報告している。


 また、23年3月のGGEで日本は、米国、英国、オーストラリア、カナダ、韓国と共同でまとめた「国際人道法を基礎とした禁止と制限の方法にかかる自律型兵器システムに関する条項案」を提出。民間人や民間施設を攻撃できるようにAWSを設計することを禁じるなどの文言を盛り込んだ。

■防衛省が指針を初めて策定

 さらに、日本の防衛省は今年6月、AIの軍事利用の構想と研究・開発の段階で事前に審査するための指針を初めて策定。指針は▽国際人道法を順守できるようになっているか▽完全自律型の致死兵器システムになっていないか▽人間が関与し、適切に制御できる設計になっているか▽AIへの過度な依存の防止策を講じているか――などを審査するとしている。この指針には、公明党が提言してきたことも盛り込まれている。
当時の萩生田文科相(中央右)に要望書を手渡す斉藤副代表(左隣)と谷合参院幹事長(右端)ら=2021年7月15日 文科省
原爆投下時の状況を再現したVR映像を視聴した(右から)原田大二郎青年局次長(参院選候補=比例区)、竹谷とし子代表代行、谷合参院会長ら=今年5月10日 広島市中区
ロシア軍がウクライナの市街地に向けて発射した自爆ドローンの残骸

©Andreas Stroh/ZUMA Press Wire/共同通信イメージズ
当時の村井英樹官房副長官(中央)に提言を申し入れる党生成系AI利活用検討委員会のメンバー=2024年6月28日 首相官邸