霧雨が降り続いている森の中、木の枝を探し歩いている。


今晩お泊り教室でカレーを作る。

包丁が使えない私は火を点けるときに必要な木の枝を探す役割をもらった。

一人森の中を歩いている。

こんな天気では火の点きがよさそうな乾いた枝がなかなか見つからない。

薄いピンク色の空が、山の近くに下りてきたオレンジの太陽と混ざって私の足元を照らしている。

この空に色がなくなって、灰色の布を被りはじめた頃にはみんなの所へ帰らなくちゃいけない。

腕の中には長い枝2本と長さがバラバラな箸程の細い枝5本。

カレーを温めるにはこの腕いっぱいの枝がなければ。

なおも木の枝を探し続ける。


どのくらい歩いてきたのだろう。

今自分のいる場所からはみんなの声が聞こえてこない。

不安になり枝を探していた視線で辺りを見回してみる。

一瞬、気になる光景が私を捉えた。

二股に分かれた道。

二股に分かれた道の手前には沢山の黄色と茶色と少しの赤い色の葉が絨毯のように敷き詰められ、その上に雨の雫がきらきらと光っていた。

気になったのはその奥にある二股に分かれた道。

天国と地獄。明と暗。光と影。

二股に分かれた道の光景はまったく異なっていた。