やはり病院への行き道はとてつもなく嫌だ。死ぬほど気は重いし、過度なストレスを感じる。
今日は、先日の術前検査の結果と入院の説明を受けるだけとは言え、モヤモヤがとまらない。
呆れるほどの待ち時間を少しでも緩和させる為、30分前に受け付けを完了した。
主治医の女医さんは相変わらず綺麗な方だ。化粧けは全くないし、洒落てる事もない。しかし、華奢な体つきに飾らずとも美しい透明感のある肌。明瞭な言動からも感じられる、うちから滲み出る聡明さと、凛とした美しさを兼ね備えている。丸く大きな目の奥の瞳は澄んで、優しさと強さをうかがえる。
検査結果を順に確認しながら説明し、そつなくこなす姿は、やはり出来る女医さんと信頼に値する。
この病院で心配があるとするなら、この古さとなんとなくどんよりしているこの雰囲気。
とは言え、かかりつけ医の紹介で、皆の対応もすこぶる優しい。
しばらくすると、入院の説明ににこやかで朗らかな看護師の女性が現れた。恰幅の良い彼女は、見るからに人よさが滲み出ている。別室へ案内される道すがら、
今日は寒いですねぇ〜と、近所の知り合いの様に人懐っこく話しかけてくれる。マンション住まいの私には近所の方とのこんな会話すらないが。
なんとなく、気を紛らしてくれているのが手にとる様に感じられ、
本当に寒いですね。今日は朝から日がでませんでしたしね。
と、お気遣いありがとうという意味を込めて答えた。
入院に際してまとめて主治医に効率的に渡された書類の一つ一つ説明してくれた。入院に際しても持ち物や、注意事項など。とにかく朗らかに丁寧に説明をしてくれた。勿論、こちらの質問にも的確に回答してくれた。
彼女曰く、少し前にこのシステムが導入されたらしく、彼女も春先からこの業務に携わっているらしい。
きっと、この事前準備がなかったことにより多分何かしらの不具合があったのでしょう。
どんな理由であれ、一度入院した事があるとは言え、入院嫌いの私には、不安満載の状態で望むのはモヤモヤを助長されるだけでしかないので、このシステムと適任としか言いようのない彼女の説明を受けて、心穏やかになったのは間違えない。
因みに、途中でお薬手帳のくだりで、やはりここでも、
山本先生なんですねっ。
と、元委員長は健在らしかった。
先生のテキパキさと、彼女の屈託のない落ち着きで、心穏やかに過ごせることに感謝した。
今のところは予定通りだ。