映画館で映画を観るの超久しぶりです、あれ、前作の『天気の子』以来かもしれない

面白かったと言えば面白かったのですが、ちょっと複雑な気持ちもあるので久しぶりにブログに書いてみます

ネタバレめちゃくちゃ含みますので、嫌な人はスルーしてくださいませ

『前前前世』じゃなくて『君の名は。』では隕石落下、『天気の子』では豪雨と、災害をモチーフにしたファンタジーですが、今回はズバリ地震です、日本人には避けて通れない災害です

なんでこの路線で三作も…という疑問もあります、そういうモードなんでしょうか、新海監督

三部作なのか？！

映画は極力前知識入れないで観たいのでほぼ何も知らない状態で観ました

序盤からすぐに地震を治めるファンタジーだとわかります、そう来たかと思う間もなく、どんどん話が進みます、ロードムービーとして舞台もどんどん変わってどんどん治めていきます

宮崎から愛媛、神戸、東京、そして宮城…実際大きな災害の起きた土地を…

観ていてつらくなっていきました

実際の事、医療、事件、災害などを元に作られるフィクション、エンターテイメント作品はたくさんある

そして、例えば交通事故で家族を亡くした人は交通事故を描いたフィクションを心から楽しむ事はできないでしょう、殺人事件で家族を亡くした人は殺人を描いたフィクションを…そして

日本沈没に限らず、地震を描いたフィクション・エンターテイメント作品はある

2011年の東日本大震災から11年あまり、今だから描けると監督は思った、とのこと

主人公は4歳で被災し、母を亡くして、映画はその12年後が舞台

私はちょっとつらかったです、

震災の被害者で新海監督のファンで今回の映画を楽しみにしていた人はどう受け止めたんだろう…想像もできない

閉じ師という架空の職業を考え出したのはとても面白い着眼点だと思った、地震が起こりそうな場所へおもむき、災害の扉を閉じて人々を救う、閉じきれなかった場合は大きな被害が出る？

という世界観、なるほどと思う、

実際は治める方法どころか、起こる事を正確に予知する事もできない現在…

しっかりと扉を閉じて大団円、ほとぼりが冷めた頃に閉じ師の彼と約束の再会で終わり

なんだろう、『もしも地震の裏側がこんなふうだったら』というコントというかお話を見せられて…

面白いんだけど、コレを面白いと言っていいのか？！

という気持ちがある

背景美術はいつも通り緻密で綺麗で良く動くし（CG多用はある意味当たり前なんだけどちょっとだけ鼻につくような気もする…カメラがグルっと回りこむとか多かった、CGすごいでしょ？！みたいなの逆に古く感じてしまう）

登場人物も充分魅力的なんだけど、

やっぱり実際の地震の避けられない恐ろしさと扉を閉じたら治るというロジックが心の中で相入れない…

という感想です、興行的には大ヒットしてるみたいだからエンタメとしては成り立っていて皆さん満足されているんだろう、私も満足と言えば満足、でもちょっと引っかかってる、という感じなのです

NHKの朝ドラ『あまちゃん』では物語の途中で311が起きる、そして主人公他キャラクター達は乗り越えていくところも描かれていた…当時まだ311から数年、その後被災した原子力発電所の映画もあったし、311に関連するドラマもあった

新海監督は次回作の構想中だろうか、災害の話は当分けっこうですと伝えたい…無理だけど。

本文テキスト

映画『すずめの戸締り』を観て思ったこと