2)英語と私
英語の原書、原文が知りたい…これって実は、自分にとってすごい変化だった。
中学校時代、私にとって英語は受験の為だけのものだった。どんなに若草物語や小公女や秘密の花園や赤毛のアンが好きでも、原書なんて考えたこともなかった。
自分が住んでいたところは、アメリカ軍の住宅区域とキャンプに挟まれていて、子ども時代は「Yナンバーには気を付けろ」と言われていた。ひき逃げ、当て逃げされても仕方ない、自分の身は自分で守れと。私たちは占領された地域を行き来する米兵の車と、声が聞こえ無くなる程の夜間低空飛行の爆音に脅かされて大きくなったのだ。そんな自分は、米軍も、米兵も、英語も大嫌いだった。
当然、英語は希望の高校に入学してからはやる気なし。ちょっとした偶然で、とある専門大学に推薦入学出来たものだから、その後も単位が取れればいいやっていう勉強しかしなかった。
それが。
歳にして41、晴天の霹靂どころじゃない。毎日iPhoneに入れたBBCのラジオドラマを英語で聴いているのだから。
とは言え、入手してからもうじき三年経つが、本当に意味が解っているわけじゃなくて、ストーリーを知っているから解っているような気がするだけなのだが。
このラジオドラマは本当に良い出来で、何回聴いても飽きないし、何回でも聴きたくなる。
さて、このままだったら英国に憧れて、英国に行きたくなるのが本当だけれども、ピータージャクソン監督の映画の影響は実に大きい。
タイトル画面にSouthern Alpsが大写しになると、胸が苦しくなるくらいワクワクする。the load of the Rings をご覧になった方は分かると思うが、白のガンダルフがホビットのピピンを前に座らせて、ローハンからミナスティリスまで馬をひたすら走らせる場面があるのだが、その風景の素晴らしさ!
また、ピピンがミナスティリスの危機を知らせる狼煙火をあげるのだが、それが次々とアルプスの山並みを継いで伝わってゆく様は、言葉にしようが無いほど壮麗な風景で。
撮影された所に行ってみたい、WETA(大道具から武器、衣装まで手がけた制作会社)に行ってみたいと思っていたが、Matamata にHobbiton撮影地が保存されたと知り、絶対に行く!と心に決めたのだ。