それは、内側から満ちあふれる若々しいオーラ。

6月だったのではないかと思いますが、新宿駅西口地下通路の広告
スペースにランコムが登場しました。世界的女優さんを起用した
美しさに訴える化粧品の広告です。

lancome02.jpg

一頭最初に見たときに、そのインパクトの強さに「おぉ!」と思った
のですが、通例では1~2週間で新しい広告に代わるので、これも
新製品のアナウンスかな?、すぐに別の広告になってしまうの
だろうな、と初見ながら一抹の寂しさを感じたことを憶えています。

が、なんとなんと、この広告キャンペーンは今年のひと夏を越え、
9月になっても堂々と掲示が続いているではありませんか!

ちなみに、左から順にケイト・ウィスレットは「心から光を放つ
ような存在感」、ペネロペ・クルスは「内面から輝くエレガンス」、
リリー・コリンズは「まばゆいほどの清らかさ」と、回答が書かれて
いますが、この問いは「言葉には表せないけど、彼女は”なにか”を
持っている」という"Je ne sais quoi"だそうです。

有名女優がランコムの製品とともに美しくポーズを決める広告です
から、非常にインパクトがありましたが、それが3ヶ月も継続して
露出し続けると、非常に訴求力の強さを感じます。なぜなら、風景化
してしまって見なくなるということが未だにないからです。

これは、今後の広告業界のクリエイティヴとメディア選択との関係に
おいて、新しい標準を打ち立てた例になるかもしれません。

人の(この場合は、市場における消費者)の潜在意識と健在意識の両方
に対して、まったく正攻法の問いかけとメッセージを送り続けることは、
広告というビジネスの原点に立ち返って価値を訴求することであり、
新規の事業企画やマーケティング、イベント開催、ブランディングなど
に手を広げてパフォーマンスの平均値が低下しつつある業界内において、
一段上のレベルに基準を引き上げる効果があります。

今年の広告はこれが圧倒的に一番だったと断言できるでしょう。
素晴らしいです。

lancome01.jpg

感謝!