ニッカ・ウヰスキーが新たに発売したブレンデッド・ウィスキーの
ザ・ニッカを試してきました。

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発売当初のプレスリリースでは、最高級品の40年超熟成の製品が
50万円とされていて、腰が引けてしまったのですが(笑)、何と
いいますか良くも悪くもニッカが新時代に脱皮しようとしているな
と感じたものでした。

メーカがメーカの名前を冠した商品をリリースする。それは当然に
メーカとしての自信とプライドを掛けた商品であることは間違い
ないでしょう。

ウィスキーという素材を考えるときに、樽のポテンシャルによって
20年が限界だったり、30年だったりと幅があるわけですが、
40年以上もひとつの樽に原酒が貯蔵され続けるということは、
その樽の実力がいかに優れているかということを示している
ことを意味しますから、ただ単に歴史があればよいということで
はなく、長く樽を管理する技術も大切だということです。

さて、私が頼んだのは12年物のレギュラー商品ですが、実際に
試してみてどうか、ということになると、ニッカ・ウヰスキー全体
の製品ポートフォリオがウッディな方向にシフトしているのかな、
という印象を受けました。

すなわち、スーパーニッカに変わって竹鶴が看板商品になった際、
そのテイストが余市の新樽原酒を強調するものになったこと。
また、そのスーパーニッカが2009年にリニューアルした際に
やはり余市の新樽原酒を強調するものになったことと符合します。

詳細は次の記事に譲りますが、今回ブレンデッドの最高峰であった
鶴が終売になり、ザ・ニッカが新発売となったのは、「ニッカ・
ウヰスキー」の味わいが、そのメインラインを張る商品において
余市の新樽が強調されることになったことで整合されます。

もちろん、これは90年代に余市が高く評価されて、ヘヴィピー
テッドの新樽原酒を作り続けてきたことで、供給できる原酒に
一定程度の目処が立ったことも推測できます。

こうして、これから新しいニッカ・ウヰスキーが始まることに
なる。その看板商品が「ザ・ニッカ」なのでしょう。

感謝!