「いつかはクラウン」という名コピーがあります。かつて自動車が
ステイタスシンボルの役目を自他共に認めていた時代に、いみじく
も、このコピーを社会的な成功の象徴として信じたという人がいた
という話をよく耳にする話題です。

要するに、クラウンというクルマは勤労日本人の憧れという存在で
あった。そういう時代があったという話です。では、現在はどう
なのか?その最新型のハイブリットモデルに乗った印象の話です。

crownhybrid.jpg

う~ん。と唸ってしまいました。
これは、本当に憧れるような存在の商品なのか?

もちろん、パワートレインはスムーズ、加速は滑らか、ステアリン
グは軽く、カーブも軽やかに曲がっていきます。

でも、足元が心細いんです。スカスカなんです。安いアルミサッシ
の隙間から風が入ってくるかのようにピューピューならぬ、ガー
ガーゴーゴー音がします。

例えていうなら、ちょうどメルセデス・ベンツが1990年代の
半ばにコストダウンを図ってシャシーを一新し、一気にフニャ
フニャなクルマになってしまったときの印象と重なります。

これが200万円以下のクルマなら、それはそういうものだろう
と思うのですが、曲がりなりにも世界一を目指す我が国のトップ
メーカが製造する高級車の代表格なのですから、これが高級車
ですと言われると、これが高級車ですかと思ってしまいます。

フロアマットに着けた足の下から、風か水が流れているような
そわそわ感で、シートやインテリアやその他のおもてなし感が
一気に吹き飛んでしまいました。がっしりした溶接のコンスト
ラクションが素晴らしいだけに、フロアからのノイズだけが
際立ってしまうのです。

フロアといえば、自動車の開発で一番コストが掛かる部分です
から、それをエイヤッで変更するのは難しいとは思いますが、
もう少し「乗って安心できる車」をお願いしたいと思ってしまい
ました。

やはり、昔も今もクルマの基本はシャシーだと思います。

感謝!