F1レースの2014シーズンが終了しました。シーズン終了戦は
アブダビのヤス・マリーナというサーキットで、夕暮れ時にレース
するトワイライト・グランプリでした。

この最終戦で、今年ダントツに速かったメルセデス・チームのルイ
ス・ハミルトン選手がチャンピオンを獲得しました。おめでとう
ございます!

今年のF1グランプリは、車両の規則が大幅に変更になってエン
ジンも自然吸気からターボチャージドに変わったので、それまで
長年に亘ってF1のあるいはレーシングカーの象徴だった爆音が
なくなり、世界最高峰の呼称とは印象を異にする”おとなしい”
イベントに様変わりしたのが特徴でした。

この変化にショー・スポーツの側面も影響を受け、サーキットで
の観客数およびテレビの視聴者数が、数十パーセント減少したと
いう情報があります。

確かに、テレビ中継を通してサーキットのスタンドを確認すると、
空席が目立っていましたし、ある国ではスタンドのブロックに
ほとんど人がいない程にまで減少していて、これでは興行主や
サーキットは大赤字ではないかという気がしました。

かくいう私自身も、レギュレーション変更が確定した段階でター
ボエンジンには関心が薄く、今シーズンは全レースをテレビ録画
したものを、さらに2倍速で見て、観たことにしていました。
私の生活からはサーキットが遠くなった1年でした。

シーズン中には、サウンドが小さくなったことについて、変更を
模索するテストも行われたようですが、おそらくはエンジンに
関する規則を再変更しない限り、根本的な解決にはならないと
思われますので、この状況があと数年は続く見通しです。

こういう、進化の過程といいますか混乱といいますか、複雑で
混沌とした状況の中では色々なことが起こるものであり、テール
エンダーだったケータハム・チームとマルーシャ・チームは
裁判所への破産申請を行い姿を消しつつありますし、トップ・
チームでも1990年代前半以来未勝利に終わったスクデリーア・
フェラーリでは、会社の会長が更迭されチーム・マネージャが
二度も交代する迷走ぶりを見せています。

これから数年は混乱と相次ぐ変更とにまみれて、まだ見ぬ新しい
姿へと新陳代謝を始めた年として記録されるでしょう。

新しいF1とは、おそらく民主的に運営され商業的にも成功
する、新しいバランスの姿だろうと思います。

今シーズンの最終戦では、アルコール・メーカのロゴが消され
ました。このあたりが新しい姿の予兆のようにも思えます。

F1サーカスは、新しい興奮を作り出せるでしょうか?

感謝!