東京から熱海行きの東海道線普通電車に乗って約2時間、終点
熱海のいくつか手前に根府川という駅があります。小田原市
根府川ね。

その昔、関東大震災の際には丘雪崩が起きて、ちょうど駅部分
で線路面が崩落、現在の駅前の海中に旧ホームが沈んでいる、
というのは歴史の教訓として学んでおきたいことのひとつで
すが、それとは別に歴史に繋がる謎があります。この駅は、
1番線がないのです。

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ご覧のとおり、線路山側に小さな駅舎が立っていますが、跨線
橋から降りてきたところの線路は2番線。下り列車が発車する
海側は3番線です。

謎の答えは、2番線の線路と駅舎が建つ切り通しとの間に1線
分空いているところにあります。

写真のところで東京方面に振り返ると、そこにはホームらしき
ものの跡が残っているのが確認できます。

nebukawa01.jpg

はいそうです。ここにはその昔1線敷かれており、貨物ホームが
設置されていました。その貨物ホームが1番線で旅客は昔から
2番線と3番線を使っていたのですね。この貨物ホームからは
根府川で取れるかんきつ類などの果物が各方面に向かって出荷
されていました。

その後、貨物の取扱いが廃止され、線路が撤去されて、ホーム
だけが残っている、というわけです。

そういう訳で、根府川付近は甘夏などのかんきつ類がさかんに
栽培されている果樹栽培で有名なところ。国道142号線を
通っても販売所が点在していますので、真鶴・湯河原・熱海・
伊豆方面にお出かけの際には、ぜひその美味しい味を確かめて
みてください。

感謝!