参議院議員選挙の投票日が近づいてきました。
主な争点は、安倍政権のアベノミクスへの評価となって
います。つまりは経済政策への賛否です。
もちろん、ねじれ国会の問題から派生する参議院のあり方や、
憲法改正などの諸問題も争点ですが、それは選挙後の獲得議席
によっても、影響があるでしょう。
各候補者の選挙運動を見てみると、上記の各争点を訴える者、
政党の政策を訴える者、候補者の独自政策を訴える者等々が
看られますが、苦戦が予想される民主党の没落と第三極ならぬ
野党第一党を狙う下克上による、乱打戦の様相も看られ、誰に
投票するか決めていないという浮動層を構成する方も多いの
ではないでしょうか。
ところで参議院議員選挙は国政選挙ですので、国の未来を決定
する投票になります。人間は誰でも良くなりたいと思って生きて
いますが、未来を考えるのならば、現在の立ち位置を把握して
おくことが、整理した思考のために必要でしょう。
そこで、表題のグラフを作ってみました。
データは財務省のウェブサイトから引用しています。
■一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移と
歴代政権(Excelファイル)
http://goo.gl/2QPrr
(参照元グラフはこちら http://goo.gl/ni6XQ )
あまり綺麗なグラフでなくて申し訳ないのですが、内容はよく
云われる国の損益計算と借金の関係です。
大雑把な説明をすると、一般会計税収(紫色)と公債発行額(黄色)
が収入で、歳出総額(紺色)が支出です。
これをみて感じるのは、
・長く続く平成不況で税収が右肩下がりに落ち続け、
・対して政府の支出は右肩上がりに上がり続け、
・不足分は国債等を発行して賄い、
・2009年には税収と公債の数値が逆転し、
・現在では借金が財源の第1位になっている
酷い状況です。
ここから国を良くするには、どの優先順位で取組め
ばよいのか。すなわち、
1.借金(公債発行)を減らす
2.税収を増やす
3.支出を減らす
このうち3のムダ遣い削減は、民主党政権時の事業仕分けで既に
やっています。残りは1か2のどちらかということになります。
さて大問題である国の借金ですが、このグラフをみると、公債
発行が大きく増えたのが3回あります。
・1998年 橋本政権時
・2008-9年 福田・麻生政権時
・2012年 野田政権時
これをみてピンときた方も多いでしょう。それぞれ
・消費税増税による不況時
・リーマン・ショックによる不況時
・東日本大震災による不況時
の時期にあたります。
忘れてはいけないのは、来年4月に消費税増税が予定されている
ことで、もし前回同様に不況になれば、政府が対応を迫られる
ことになります。
前回の橋本政権時に公債発行を拡大する際は、税収が公債発行の
約3倍で余裕がありました。
しかし今回は、税収と公債発行がほぼ同額のため、公債発行を
増やせば、大幅赤字の借金財政に転落します。
もし日本国債が信用を失って(=日本の信用が失われて)金利が
上昇したら、利払いが膨らみ、利払いを払いきれなくなれば、
昨年世界を揺るがしたユーロ危機と同様の経済危機の引き金を
引くことになります。
さて元に戻って、先の1~3でトリックに気づかれた方もいらっ
しゃると思います。それは、1の借金を減らせば(=収入の一部が
減れば)、3の支出は減らせそうです。これを形を変えた3と
いいましょう。しかし、これも簡単ではありません。
政府支出が減れば、行政サービスが低下します。
いざとなっても救急車が来なかったり、火事が消せなかったり、
治安も悪くなるでしょう。為替が一方に激しく動いても介入が
できない、といったことも十分に有り得ます。従って、簡単に
借金だけ減らすことはできません。
しかし、借金を減らしながら支出を減らす方法はまだあります。
政府の仕事を減らすのです。即ち規制緩和です。
じつは規制緩和は、アベノミクス第3の矢で既に触れられてい
ます。しかし選挙の争点としては小粒になっています。
この規制緩和を評価軸に加えて、今回の候補者や政党の主張を
比べてみてはいかがでしょう。
すなわち、大きな争点であるアベノミクスへの賛否から、規制
緩和だけを取り出して、2軸でポジショニング・マップを作り、
評価してみるのです。
そうすると、国を良くする優先順位は2なのか事業仕分けでは
ない形を変えた3なのか、各党の主張とみなさまのお考えとの
擦りあわせをして評価することができます。
いずれにしても、大切な一票を投票しましょう。
そういえば、投票価値の平等も大きな争点ですね。
※この記事は、メルマガ記事の加筆・修正版であり、ビジ
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主な争点は、安倍政権のアベノミクスへの評価となって
います。つまりは経済政策への賛否です。
もちろん、ねじれ国会の問題から派生する参議院のあり方や、
憲法改正などの諸問題も争点ですが、それは選挙後の獲得議席
によっても、影響があるでしょう。
各候補者の選挙運動を見てみると、上記の各争点を訴える者、
政党の政策を訴える者、候補者の独自政策を訴える者等々が
看られますが、苦戦が予想される民主党の没落と第三極ならぬ
野党第一党を狙う下克上による、乱打戦の様相も看られ、誰に
投票するか決めていないという浮動層を構成する方も多いの
ではないでしょうか。
ところで参議院議員選挙は国政選挙ですので、国の未来を決定
する投票になります。人間は誰でも良くなりたいと思って生きて
いますが、未来を考えるのならば、現在の立ち位置を把握して
おくことが、整理した思考のために必要でしょう。
そこで、表題のグラフを作ってみました。
データは財務省のウェブサイトから引用しています。
■一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移と
歴代政権(Excelファイル)
http://goo.gl/2QPrr
(参照元グラフはこちら http://goo.gl/ni6XQ )
あまり綺麗なグラフでなくて申し訳ないのですが、内容はよく
云われる国の損益計算と借金の関係です。
大雑把な説明をすると、一般会計税収(紫色)と公債発行額(黄色)
が収入で、歳出総額(紺色)が支出です。
これをみて感じるのは、
・長く続く平成不況で税収が右肩下がりに落ち続け、
・対して政府の支出は右肩上がりに上がり続け、
・不足分は国債等を発行して賄い、
・2009年には税収と公債の数値が逆転し、
・現在では借金が財源の第1位になっている
酷い状況です。
ここから国を良くするには、どの優先順位で取組め
ばよいのか。すなわち、
1.借金(公債発行)を減らす
2.税収を増やす
3.支出を減らす
このうち3のムダ遣い削減は、民主党政権時の事業仕分けで既に
やっています。残りは1か2のどちらかということになります。
さて大問題である国の借金ですが、このグラフをみると、公債
発行が大きく増えたのが3回あります。
・1998年 橋本政権時
・2008-9年 福田・麻生政権時
・2012年 野田政権時
これをみてピンときた方も多いでしょう。それぞれ
・消費税増税による不況時
・リーマン・ショックによる不況時
・東日本大震災による不況時
の時期にあたります。
忘れてはいけないのは、来年4月に消費税増税が予定されている
ことで、もし前回同様に不況になれば、政府が対応を迫られる
ことになります。
前回の橋本政権時に公債発行を拡大する際は、税収が公債発行の
約3倍で余裕がありました。
しかし今回は、税収と公債発行がほぼ同額のため、公債発行を
増やせば、大幅赤字の借金財政に転落します。
もし日本国債が信用を失って(=日本の信用が失われて)金利が
上昇したら、利払いが膨らみ、利払いを払いきれなくなれば、
昨年世界を揺るがしたユーロ危機と同様の経済危機の引き金を
引くことになります。
さて元に戻って、先の1~3でトリックに気づかれた方もいらっ
しゃると思います。それは、1の借金を減らせば(=収入の一部が
減れば)、3の支出は減らせそうです。これを形を変えた3と
いいましょう。しかし、これも簡単ではありません。
政府支出が減れば、行政サービスが低下します。
いざとなっても救急車が来なかったり、火事が消せなかったり、
治安も悪くなるでしょう。為替が一方に激しく動いても介入が
できない、といったことも十分に有り得ます。従って、簡単に
借金だけ減らすことはできません。
しかし、借金を減らしながら支出を減らす方法はまだあります。
政府の仕事を減らすのです。即ち規制緩和です。
じつは規制緩和は、アベノミクス第3の矢で既に触れられてい
ます。しかし選挙の争点としては小粒になっています。
この規制緩和を評価軸に加えて、今回の候補者や政党の主張を
比べてみてはいかがでしょう。
すなわち、大きな争点であるアベノミクスへの賛否から、規制
緩和だけを取り出して、2軸でポジショニング・マップを作り、
評価してみるのです。
そうすると、国を良くする優先順位は2なのか事業仕分けでは
ない形を変えた3なのか、各党の主張とみなさまのお考えとの
擦りあわせをして評価することができます。
いずれにしても、大切な一票を投票しましょう。
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