とある子どもがハチロクの機関士にこう尋ねた。

「SLってCとかDとかいうけど、この機関車は違うの?」

機関士が答えて曰く「CとかDとかは昭和の機関車。これはC
とかDがつく前の大正の機関車。」なるほど。上手い説明です。

ハチロクこと8620形に比して、こちらはキューロクという
9600形です。案内版にも同じ説明がありました。

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「9600形SLは大正時代の代表的な貨物列車用SLとして、
800両近く制作され日本全国及び台湾、カラフトで使われた
が、うち250両は軌間を変更して中国大陸へ送られ、昭和57
年頃まで使用された。

速度は65km/hと遅いが、平坦線で1000トン(貨車50
両)の列車も牽引できる強力なSLで国鉄のSLが全廃となる
まで使用された。
49616号は大正9年川崎車両製で昭和51年に北海道北見
機関区より当社へ入線した。

重量94.9t 最大寸法16.563m 高さ3.810m」

ここには触れられていないが、最後の営業貨物列車を牽引した
のもキューロクだから、いかに重宝がられたかが分かるし、
逆説的には、この後に作られたD50,D51,D52ともに
キューロクを越えられなかったともいえる。

貨物機というのは、旅客機に比べてどうしても地味だけれども、
表舞台を支える裏方にこそ、真実が表れるとも言えるのでは
ないだろうか。

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