第46回衆議院議員総選挙の投票日が近づいてきました。
本稿は、政治や投票を目的としたものではありませんが、
今回の選挙は「分かりにくい」という声を多く聞くため、
マーケティング(経済)的視点で考えてみたいと思います。
今回の衆議院選挙は、有権者(消費者)にとってみれば、
スーパーに買い物に出掛けるが、行ってみるとよく似た
商品ばかり並んでいて、何を買ったらいいか分からない、
分からないから買えない、買わない。といった、分かり
にくさだと思います。
多くの政党で似たような政策が並び、合併して大規模化
した政党には原発問題のような大きなイシューで相異が
見られたものもありました。
そういう”まだら模様”の中で、どれを選んだらいいか
分からない、という目に見える分かりにくさがひとつ。
もうひとつは、政治史的な流れが続くのか断ち切られる
のかが分かりにくい、という点。
というのは、前回の衆議院選挙では、本格的な二大政党
時代の到来が叫ばれ、概ねそれに近い形勢が出来上がっ
たにもかかわらず、与党内で権力闘争に明け暮れ分裂と
自壊を繰り返し、他方下野した第一党は「解散に追い込
む」の一点張りで、これまた政局争いに明け暮れ健全な
野党とは言い難い状況でした。
残念だったのは第三極と呼ばれる中小野党で、これらも
政局争いに乗じて与党批判を繰り返すだけの評論家振る
舞いだったため、結局都合3年間日本の国政は停滞した
という評価がなされても仕方がないでしょう。
さらに今回の衆議院解散前後に、政党の旗揚げや合併が
続いたわけですから、今回の選挙の後で二大政党体制が
続くのか、一大与党制となるのか、小規模政党の乱立と
なるのか。
それは日本の政党政治が進歩するのか、足踏みするのか、
退歩してしまうのか。換言すると、実行力が上がるのか、
現状維持なのか、下がってしまうのか分からない、と
いう将来が見通せない分かりにくさがひとつあります。
さらにもうひとつは、冒頭の問題意識に戻って、有権者
(=消費者)のニーズに対応できていない政界のセンスの
悪さ、または社会的非常識さ、あるいは商材・サービス
の低品質さが、分かりにくさと関心の低さに結び付いて
いないでしょうか。
デフレ不景気が続いても、金融危機が勃発しても、東日
本大震災が起こっても、素早い対応を求める国民のニー
ズを他所に政局に明け暮れる国会の哀れな姿を見せられ
続けて、怒りを通り越して呆れる人々が続出しました。
よく聞く「もう政治には期待しない」という声は、この
結果生まれる発言です。
この声に、今回の選挙期間に応えようとする声が立候補者、
あるいは政党から聞こえてきません。これは、残念なが
ら立候補者と政党が、有権者(=消費者)を見ているので
はなく、他候補(=競合)を見ているから起こることです。
候補者や政党のパフォーマンスを見ていて感じるのは、
当事者の背後に優秀なコンサルタントがいて、戦略的な
位置づけと振る舞いを助言しているように見えますが、
仮に彼らがいたとして、競合の潰し合いを見せられても
先の不満に誠意を持って応えようとならないのは、国民
がバカにされているか政治のレベルがあまりにも低いの
かのどちらかです。
例えば、財政再建目的で消費税率アップが議決されたの
にも関わらず、財政再建に賛成か反対かの目的を問わず
して消費税増税に賛成か反対かだけ問うのは、だれでも
反対と言うでしょう。これはマスコミ報道のあり方も含
めて、故意に問題を矮小化しています。
こういう論点の巧妙なすり替えがなされたまま、間違っ
た訴求で有権者(と報道)を巻き込みながら日付がカウン
トダウンされているのが、今回の衆議院選挙です。この
修辞的な大きな分かりにくさもひとつあります。
こういう分かりにくさに、政治もマスコミも責任は取っ
てくれません。何故なら選択するのは有権者(=消費者)
だからです。
有権者にとって、こういうときに必要なのは、自答する
ことです。
・これまでのデフレ経済で生活条件が悪化したとき
・リーマンショックで経済環境が悪化したとき
・東日本大震災と原発事故で世界を巻き込んで震撼したとき
皆さん誰もが自問したはずです。
「どうしたらいいのか?」
と。
その問いに自答して答えを出し、その答えをぶつける先が、
今度の衆議院選挙ではないでしょうか。
スーパーに日用品を買いに行くのではなく、高級デパー
トにハレの日の買い物をするつもりで品定めをする機会
だと思います。
「こうしてもらいたい」と思ったことを思い出し、しっか
り品定めして、一番高い買い物を納得できる内容にしま
しょう。
※この記事は、メルマガ記事の加筆・修正版であり、ビジ
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今回の選挙は「分かりにくい」という声を多く聞くため、
マーケティング(経済)的視点で考えてみたいと思います。
今回の衆議院選挙は、有権者(消費者)にとってみれば、
スーパーに買い物に出掛けるが、行ってみるとよく似た
商品ばかり並んでいて、何を買ったらいいか分からない、
分からないから買えない、買わない。といった、分かり
にくさだと思います。
多くの政党で似たような政策が並び、合併して大規模化
した政党には原発問題のような大きなイシューで相異が
見られたものもありました。
そういう”まだら模様”の中で、どれを選んだらいいか
分からない、という目に見える分かりにくさがひとつ。
もうひとつは、政治史的な流れが続くのか断ち切られる
のかが分かりにくい、という点。
というのは、前回の衆議院選挙では、本格的な二大政党
時代の到来が叫ばれ、概ねそれに近い形勢が出来上がっ
たにもかかわらず、与党内で権力闘争に明け暮れ分裂と
自壊を繰り返し、他方下野した第一党は「解散に追い込
む」の一点張りで、これまた政局争いに明け暮れ健全な
野党とは言い難い状況でした。
残念だったのは第三極と呼ばれる中小野党で、これらも
政局争いに乗じて与党批判を繰り返すだけの評論家振る
舞いだったため、結局都合3年間日本の国政は停滞した
という評価がなされても仕方がないでしょう。
さらに今回の衆議院解散前後に、政党の旗揚げや合併が
続いたわけですから、今回の選挙の後で二大政党体制が
続くのか、一大与党制となるのか、小規模政党の乱立と
なるのか。
それは日本の政党政治が進歩するのか、足踏みするのか、
退歩してしまうのか。換言すると、実行力が上がるのか、
現状維持なのか、下がってしまうのか分からない、と
いう将来が見通せない分かりにくさがひとつあります。
さらにもうひとつは、冒頭の問題意識に戻って、有権者
(=消費者)のニーズに対応できていない政界のセンスの
悪さ、または社会的非常識さ、あるいは商材・サービス
の低品質さが、分かりにくさと関心の低さに結び付いて
いないでしょうか。
デフレ不景気が続いても、金融危機が勃発しても、東日
本大震災が起こっても、素早い対応を求める国民のニー
ズを他所に政局に明け暮れる国会の哀れな姿を見せられ
続けて、怒りを通り越して呆れる人々が続出しました。
よく聞く「もう政治には期待しない」という声は、この
結果生まれる発言です。
この声に、今回の選挙期間に応えようとする声が立候補者、
あるいは政党から聞こえてきません。これは、残念なが
ら立候補者と政党が、有権者(=消費者)を見ているので
はなく、他候補(=競合)を見ているから起こることです。
候補者や政党のパフォーマンスを見ていて感じるのは、
当事者の背後に優秀なコンサルタントがいて、戦略的な
位置づけと振る舞いを助言しているように見えますが、
仮に彼らがいたとして、競合の潰し合いを見せられても
先の不満に誠意を持って応えようとならないのは、国民
がバカにされているか政治のレベルがあまりにも低いの
かのどちらかです。
例えば、財政再建目的で消費税率アップが議決されたの
にも関わらず、財政再建に賛成か反対かの目的を問わず
して消費税増税に賛成か反対かだけ問うのは、だれでも
反対と言うでしょう。これはマスコミ報道のあり方も含
めて、故意に問題を矮小化しています。
こういう論点の巧妙なすり替えがなされたまま、間違っ
た訴求で有権者(と報道)を巻き込みながら日付がカウン
トダウンされているのが、今回の衆議院選挙です。この
修辞的な大きな分かりにくさもひとつあります。
こういう分かりにくさに、政治もマスコミも責任は取っ
てくれません。何故なら選択するのは有権者(=消費者)
だからです。
有権者にとって、こういうときに必要なのは、自答する
ことです。
・これまでのデフレ経済で生活条件が悪化したとき
・リーマンショックで経済環境が悪化したとき
・東日本大震災と原発事故で世界を巻き込んで震撼したとき
皆さん誰もが自問したはずです。
「どうしたらいいのか?」
と。
その問いに自答して答えを出し、その答えをぶつける先が、
今度の衆議院選挙ではないでしょうか。
スーパーに日用品を買いに行くのではなく、高級デパー
トにハレの日の買い物をするつもりで品定めをする機会
だと思います。
「こうしてもらいたい」と思ったことを思い出し、しっか
り品定めして、一番高い買い物を納得できる内容にしま
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