JR東日本の駅ビル(LUMINE)と伊勢丹(ISETAN)のコラボレーショ
ンイベント「LUMITAN」が、新宿LUMINE2で開催されて
います。第一弾は明日まで。

今回のLUMITANでは、クラフト(いわゆる手芸)作家の
作品を集めた企画催事が開催されていて、年齢層の広い女性の
顧客(だけ!)がお気に入りのクラフトワークを求めてセール会場
よろしく盛り上がっています。

なぜ私がそれを知っているかといえば、私の友人のデザイナーが
手掛けるチャームブランドが出展していて、見に来て!とお誘
いをいただいたからなのですが、行って驚いたのはその盛り上が
りようの凄さです。

男の視点で言うと、女性の皆さまがクラフトに夢中になる感性は
なかなか理解するのが難しいのが正直なところなのですが(笑)、
男に例えていうなら自動車などの模型やプラモデルに夢中になる
感覚と同じなのだろうと思います。

出展している方は「作家」という地位が与えられて、商人という
よりは芸術家というカテゴリに近いポジションで考えられている
ようでした。

現場をみていて興味深いと思ったのは、このイベントを企画する
段階で、この商材(クラフトもの)なら女性が集まると容易にイメー
ジできていただろうということと、その結果として従来のマーケ
ティング手法とは異なるアプ ローチ構築の可能性があることです。

伝統的なマーケティングでは、マーケットインの第一歩 として
顧客セグメントを設定しますけれども、今回のイベントでは、
複数の作家が多種多様な作品を出展するので、マーケットイン
での商品開発ありきでは企画を進めるのは難しいことが予想され
ます。もちろん、ルミネや伊勢丹のネームバリューで企画段階から
絞込みをかけることは可能でしょうが、そこで絞りすぎてしまうと
個性豊かな「面白い作品」を事前に切り捨てて機会を逃してしまう
リスクがあります。

実際に、売り場では個性豊かな作品に集まるお客様が、楽しそうに
悩み迷う姿が見られましたし、作品によっては男性が欲しいと思う
可能性のあるものも出品されていました。

したがって、34歳までの女性(=F1)といったセグメントありき
で個性の乏しい商品を開発するのではなく、「クラフト好き」という
属性で、作家と顧客を結びつける市場創造をしたことが成功の要因
ではないかと感じました。

後追いの理論では「属性ベースのセグメント」と説明できますが、
説明ありきで個性豊かな商品は生まれなくなってしまうものです。
そうではなく、セグメントを越えて新しいものを創造する。この
創造とは、人の気持ちのなかにあるウォンツに触れる営みを行う
ことであり、これをラテラルマーケティングといいます。

今回のLUMITANは、コンセプトから出発して集客できたプロ
ダクトアウトの成功例と考えていいのではないでしょうか。

従来のマーケティング手法の延長では、コンセプトや属性ありきに
「ブランディング」という言葉を当て嵌め、当たったとか外れた
とかやっているわけですが、当たりより外れが多いのが現実の市場
では、マーケティングもブランディングも自ら首を絞め続けて
苦しむことに繋がっているように見えます。

セグメントの割り算を止めて、あるいは水平属性で割ったとしても
余りの部分を切り捨てずに大切にすることによって、人の気持ちに
触れる個性が萌芽する良い実例です。

meeandmomo-lumitan.jpg

※この記事は、メルマガ記事の加筆・修正版であり、ビジ
ネスに関する情報はメルマガを優先して公開しています。
いち早く最新情報をお読みになりたい方は、まぐまぐから
無料でメルマガ登録
できます。


会社設立 パスポート申請 軽貨物 古物商 M&A行政書士 医療法人設立とM&A Yesなビジネスの作り方(CSRマーケティング)

公式サイト

感謝!