昨今ユーロ危機が再燃しています。5月6日総選挙で現職が
敗れました。日本ではフランス大統領選の大統領交代が大き
く報道されましたけれども、同日ギリシャでも選挙が行われ
こちらも与党が敗北して、緊縮財政反対の結果に市場が反応
したものです。
危機の再燃は、この選挙結果による内閣組閣失敗、再選挙と
なって情勢が混迷していく経過と連動しています。再選挙の
日程は大統領が決めるそうですが、今のところ6月中旬が有
力視されています。
選挙のテーマは1つに絞られているといっていいでしょう。
ギリシャの財政再建にあたって、緊縮財政を受け入れる(=
ユーロ圏に残る)か、緊縮財政に反対(=ユーロ圏離脱)か。
さて、この情勢で、ギリシャでは毎週世論調査が行われてい
ます。報道をみると、「ユーロ圏には残りたいが、緊縮財政
には反対」(苦笑)が多数のようです。そういう選択肢はない
のが共通理解ですが、現にフランス大統領選では緊縮財政反
対のオランド氏が勝ちました。
この状況では、財政引締めをせずにそれ以上の経済成長を実
現できるウルトラCの第三の選択肢を示せるかどうか。でき
なければギリシャの信用は暴落、ウルトラCが出来れば行き
詰まりを見せている世界経済を救う救世主登場になります。
そういう不安定な環境で、ギリシャ国民は銀行預金の引き出
しに掛かっています。今朝の報道では郵便局系のポストバン
ク(日本でいう「ゆうちょ銀行」に似ている)、農林系のギリ
シャ農業銀行に約1兆円の資本注入が行われました。
興味深いのは、他のEU各国は表向きユーロ残留を望み、ギ
リシャ国民も同様、しかしギリシャ議会は緊縮財政反対(=
ユーロ圏離脱)が有力という事態です。間接性民主主義の低
い機能性が露呈しています。
果たしてギリシャはユーロに残るのか、離脱するのか。
スタティック(静的)にみると選挙の結果によって決まるもの
であり、その通りですが、ダイナミック(動的)に看てみると
預金引き出しが起こっているため、ギリシャの信用は悪化し
続けていて、ユーロ離脱が現実的になってきていると言って
いいでしょう。
ギリシャがユーロから離脱すると、旧通貨復活となりますけ
れども、信用は暴落していますので復活通貨はハイパーイン
フレ状態でのスタートです。ギリシャの国内向け産業は痛み、
通貨安による輸出競争力を武器にした輸出経済で回復を目指
すことになります。
ギリシャがユーロを維持できなければ、国債の償還に不安を
抱える他国に飛び火が懸念されます。スペインやイタリアは
もうすでに不況が続いて現在の環境を一刻も早く克服したい
というのに、さらに火が飛んで来そうな状況。その飛び火は
繋ぎ繋がって日本にも影響があるでしょう。株安、債権安は
十分考えられます。
奇遇なことに、スタティックにみると日本も似た状況です。
財政赤字が膨らんで、財政再建を進めなければならない。し
かし、国会内では財政再建反対意見でまとまらず、どこかで
ウルトラCを待ち望んでいるように見える。
ウルトラCとは、成長です。
日本にいて報道に接していると、ギリシャの問題は海外の出
来事、国会の政局は政治の出来事、長期の不況は経済の出来
事と分け隔てて報道されていますけれども、じつは全ての問
題は繋がっているんですね。
もしギリシャが明日の日本の姿だとするなら、「賢者は歴史
に学び、愚者は経験に学ぶ」の言葉どおり、将来の日本から
現在を振り返るよう時間軸を移動して考える思考の柔軟性を
持ちたいところです。
または、頑張ってウルトラCを開発(発明?)しましょう。
※この記事は、メルマガ記事の加筆・修正版であり、ビジ
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敗れました。日本ではフランス大統領選の大統領交代が大き
く報道されましたけれども、同日ギリシャでも選挙が行われ
こちらも与党が敗北して、緊縮財政反対の結果に市場が反応
したものです。
危機の再燃は、この選挙結果による内閣組閣失敗、再選挙と
なって情勢が混迷していく経過と連動しています。再選挙の
日程は大統領が決めるそうですが、今のところ6月中旬が有
力視されています。
選挙のテーマは1つに絞られているといっていいでしょう。
ギリシャの財政再建にあたって、緊縮財政を受け入れる(=
ユーロ圏に残る)か、緊縮財政に反対(=ユーロ圏離脱)か。
さて、この情勢で、ギリシャでは毎週世論調査が行われてい
ます。報道をみると、「ユーロ圏には残りたいが、緊縮財政
には反対」(苦笑)が多数のようです。そういう選択肢はない
のが共通理解ですが、現にフランス大統領選では緊縮財政反
対のオランド氏が勝ちました。
この状況では、財政引締めをせずにそれ以上の経済成長を実
現できるウルトラCの第三の選択肢を示せるかどうか。でき
なければギリシャの信用は暴落、ウルトラCが出来れば行き
詰まりを見せている世界経済を救う救世主登場になります。
そういう不安定な環境で、ギリシャ国民は銀行預金の引き出
しに掛かっています。今朝の報道では郵便局系のポストバン
ク(日本でいう「ゆうちょ銀行」に似ている)、農林系のギリ
シャ農業銀行に約1兆円の資本注入が行われました。
興味深いのは、他のEU各国は表向きユーロ残留を望み、ギ
リシャ国民も同様、しかしギリシャ議会は緊縮財政反対(=
ユーロ圏離脱)が有力という事態です。間接性民主主義の低
い機能性が露呈しています。
果たしてギリシャはユーロに残るのか、離脱するのか。
スタティック(静的)にみると選挙の結果によって決まるもの
であり、その通りですが、ダイナミック(動的)に看てみると
預金引き出しが起こっているため、ギリシャの信用は悪化し
続けていて、ユーロ離脱が現実的になってきていると言って
いいでしょう。
ギリシャがユーロから離脱すると、旧通貨復活となりますけ
れども、信用は暴落していますので復活通貨はハイパーイン
フレ状態でのスタートです。ギリシャの国内向け産業は痛み、
通貨安による輸出競争力を武器にした輸出経済で回復を目指
すことになります。
ギリシャがユーロを維持できなければ、国債の償還に不安を
抱える他国に飛び火が懸念されます。スペインやイタリアは
もうすでに不況が続いて現在の環境を一刻も早く克服したい
というのに、さらに火が飛んで来そうな状況。その飛び火は
繋ぎ繋がって日本にも影響があるでしょう。株安、債権安は
十分考えられます。
奇遇なことに、スタティックにみると日本も似た状況です。
財政赤字が膨らんで、財政再建を進めなければならない。し
かし、国会内では財政再建反対意見でまとまらず、どこかで
ウルトラCを待ち望んでいるように見える。
ウルトラCとは、成長です。
日本にいて報道に接していると、ギリシャの問題は海外の出
来事、国会の政局は政治の出来事、長期の不況は経済の出来
事と分け隔てて報道されていますけれども、じつは全ての問
題は繋がっているんですね。
もしギリシャが明日の日本の姿だとするなら、「賢者は歴史
に学び、愚者は経験に学ぶ」の言葉どおり、将来の日本から
現在を振り返るよう時間軸を移動して考える思考の柔軟性を
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